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ミステリ・テニス・ハムスター・モルモットについてあれこれと……
by slycat
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天国へ

天国へ_f0061021_11565305.jpg
昨日の夜1040分頃,モルモットの「ブー」が天国へ行った。我が家に来たのは201285日,約7年一緒に暮らした。


9時少し前に帰宅し,いつものように部屋に入ると大きな声で鳴いた。毎晩帰るとすぐにおやつをおねだりするのが常なので気にも留めなかったが,いざケージを覗くとブーがふだんとは違う恰好で倒れており,瞬時にもうダメだとわかった。


とにかく何か飲ませてやりたくて,たまたま冷蔵庫にあったセミノールオレンジを絞ってシリンジで与えてみたが,口からこぼれてしまう。帰宅途中の夫にメールを打って危篤を知らせ,タオルでブーをくるむと抱っこして夫を待った。

9時半頃夫が帰ってきて,それからずっと抱っこしていた。前日動物病院で処方された薬も飲ませた。薬なのに,甘いのだろうか,ブーは毎日楽しみにしておりシリンジに噛みつかんばかりに突進してきたものだ。

だんだん呼吸の間隔が開いていったが,それでもブーは1時間以上頑張った。最後は本当に静かに,ひっそりと呼吸が止まった。どちらかと言えばブーは私よりも夫のほうが好きだったので(私としてはちょっぴりガッカリだったが),最期を夫の腕の中で看取って貰えてよかった。

さようならブー,天国で幸せに。

* * * * *

前日,病院になんて連れて行かなければよかったのかも。往復2時間電車に揺られたのは,ブーには辛かっただろう。先代のブーさんやモーさんと違って一度も病院に行ったことがなく,夏バテはおろか怪我ひとつしたことのない健康優良児だったブーが,最晩年で受診することになり超音波だのX線だのと3時間にも及ぶ検査を受けたのが2週間前,そして昨日は薬の効き目などを確認するため再びX線検査を受けた。

実はわれわれはブーのことを女の子だと思っていて,ある日爪を切ろうとしたら肛門ではないところから赤いものが飛び出していたので子宮脱を疑った。子宮脱であれば手術以外に治療はないだろうから,高齢のブーを病院に連れて行って,果たして何かメリットがあるのかどうかわからなかったが,息子が「軟膏くらいは出して貰えるんじゃないの」と言うので病院を捜した。

以前は同じ区内にエキゾチックの名医がいたのだが,彼女が亡くなったため,遠方の病院に連れて行かなければならなかった。モルモットを診られる獣医師は非常に少ない。その病院にしたのは,そこの院長が亡くなった先生と共著で書籍を出版していたためだった。

診察してもらうと,何とブーは男の子で(飛び出していたものは男の子の象徴),7年間も勘違いしていたとは大笑いだったが,高齢による腰の痛みで排尿の際に力むために飛び出したのでしょう,ということだった。

正直なところ,それ(原因)さえわかれば「ハイ,さようなら」でよかったのだが,前述のとおり3時間も拘束され,お腹の毛を剃られてまでブーは検査を受けた。私はそこが引っかかる。検査の結果,心肥大や脾腫などが発見されたが「だから何?」。年寄りなんだから当たり前ではないか。もちろん,検査結果を受けて強心剤や利尿剤,食欲増進の薬などが処方されたわけだが,結局15日後には死んじゃったじゃん。

誤解のないように記すと,処方された薬のおかげでブーは束の間食欲が戻り,薬の味も気に入っていたしおやつもたくさん食べて2週間は幸せだった。納得がいかないのは,前日再診した際のX線検査である。とりあえず副作用がなさそうなら,わざわざ被爆させてまで薬の効き目を確認する必要があるのかね?

その日のブーは,飼い主でさえ翌日死ぬとは思っていなかったものの何となく眠そうだった。疲れていたブーがひとり検査台に固定されていたのかと思うと可哀想でならない。高齢で死期の近い患畜を診たら,積極的な検査・治療をするよりも,ターミナルを考えてどうすればペットが安らかに余生を暮らせるか,飼い主への指導を中心とした診療にしてほしい。

7年の寿命ということは,単純に人間と比べれば10分の1。逆に,ブーの検査にかかった時間を単純に10倍すると30時間超。30時間ぶっ通しの検査だなんて,そんなの人間なら絶対に我慢できるわけがない。丁寧に診察していただけるのは大変有難いことだが,小さな生き物でしかも高齢という条件であれば,なるべく侵襲がないようにしていただきたい。

# by slycat | 2019-07-23 12:07 | モルモット

文雀さん、有難うございました

吉田文雀さんが亡くなった。尊敬する人、愛する人との別れは、長く生きていればいつかはやってくるとはわかっていながら、悲しくて堪らない。

文雀さんが舞台に現れると、途端に空気が引き締まり、清々しくそれでいて柔らかい風が吹く。彼が操る人形は肌に艶を帯び、ものの哀れを語り出す。

文雀さんが人形を遣った作品で大好きだったのは、やはり『葛の葉』と『摂州合邦辻』だろうか。人の姿を借りた狐が、愛する我が子を残して去る決意をしながら去り難く、思いのたけを語る場面の素晴らしさ。流れる涙を止めることすらできなかった。また、玉手御前が実家を訪ねる合邦庵室の段、文雀さんは、玉手御前は本当に俊徳丸が好きなのだ、というスタンスで人形を遣った。お家を守るため、だけではない、悲しい報われない恋心と死の覚悟。文雀さん亡き後、誰がこれを表現できるのだろうか。

文雀さんは、人形を遣うのが大好きだった、幸せだった、と仰り引退なさったが、その「大好き」のお気持ちこそが私たちの心を摑み、自然に物語の中に導いてくださったのだと思う。さようなら、決して忘れません。
# by slycat | 2016-08-22 19:54 | 文楽

二度見

最寄り駅から一番近くにあった書店が、1か月ほど前、気づいたら閉店していた。雑誌はともかく読みたい本はほとんど置いていなかったのでダメージは少ないが、駅前に書店もないとは、つくづく文化果つるところだと思う。

同じ通りを北にしばらく進むと、実はもっと以前から営業している書店が1軒あり、大昔、友人が学生だった頃アルバイトをしていた店でもある。
ここも品揃えと言えば雑誌、児童書、人気作家の小説くらいで、それほど魅力があるわけではないのだが、ミステリ系も新刊なら多少置いてあるので、たまに利用する。

今日久しぶりに覗いたら興味を引くものがあったので2冊購入。創元推理文庫『愚者たちの棺』(コリン・ワトスン)とハヤカワミステリ『ジャック・リッチーのびっくりパレード』(ジャック・リッチー)。

面白かったのは代金を支払ったときのこと。店の人、レジに金額を打ち込み、「2,830円です」と読み上げたのだが、自分で言っておいて「え?」みたいに金額を確認したのである。

ま、そりゃ驚きますよね、こんなペラペラの文庫と新書サイズの本がたった2冊でこの値段とは。私もそう思うけれど、仕方ないんだな発行部数が少ないと1冊あたりの価格を上げるしかないんで。ホントにつらいです買うほうも。

# by slycat | 2016-03-31 23:40 | ミステリ

ぱんつちゃん、有難う

最後にこのブログをアップロードしてから早3年以上。パソコンを立ち上げ、毎日つらつらと書くことが億劫になり放置していた。3年の間にはさまざまなことがあり、今もなおstruggling中のため、このまま二度と書くことはなかったかもしれない。それが今日、突然書き始めたのには勿論理由がある。どうしても、ある人とあるモルモットにお礼が言いたかったから。

ある人とはみどぱんさんといい、あるモルモットとはぱんつちゃんという。

ぱんつちゃんは、モルモットとしては驚異の9年半を生き抜いた。昨年の夏から脚が立たなくなり寝たきりになっていた。そしてみどぱんさんはぱんつちゃんを完全介護してきたのだった。

みどぱんさんのブログを毎日楽しみにしていた。読みながら、同時に、自分にはこれほどの愛を生き物に捧げることができるのか、いやとても無理ではないかと悲しかった。

ときどきぱんつちゃんが牧草などを食べている動画が載っていて、一所懸命食べるぱんつちゃんを見ると、命って凄い、尊いと圧倒された。生き物とは、生きているだけで尊いものなんだと思った。何度も泣かされた。歳とともに枯れていく感情が、再び燃え立った。

辛かっただろうに、明るい文体で記事を書き続けてくれたみどぱんさん、有難うございます。最後まで頑張ったぱんつちゃん、有難う。どうか天国で幸せに。
# by slycat | 2016-02-04 19:11 | モルモット

有難うアンディ

ついにアンディ・ロディック引退のときが来てしまった。あっという間の10年。2003年最年少でNo.1になった彼だったが、それ以来とうとう一度も1位に返り咲くことはなかった。翌年から、奇跡のようなフェデラー時代が始まったから……。

ちょっと傲慢なプレイヤーだと思っていた。「ロッカールームの嫌われ者」などという噂もあったし、有明で本物を見たときも、コートの上だと何かヤなヤツ、という感じを拭い去れなかった。
しかし、一方で彼は熱心にチャリティに取り組む一面をもっており、特に子供たちのための努力は惜しまない人であった。チャリティの会に顔を見せるはずだった著名人がドタキャンした際、困った主催者が友人であるアンディに電話をしたところ、快く引き受けた彼は吹雪の中駆けつけたという。また、2004年だったか2005年だったか忘れたが、ローマ大会のとき、テニスプレイヤーたちが宿泊していたホテルで火災が起こったことがあったが(サフィンのラケットは燃えてしまったとか)、率先して人々の救助にあたったのもアンディだった。米国テニスのエースと呼ばれるに相応しい振る舞いの数々は、実はコートの外で行われることが多かったのかもしれない。

忘れもしない2007年全豪オープンでの歴史的敗退のときも立派だった。不思議なことに、彼は負けたときこそ人格の素晴らしさを見せつける人だった。ウィンブルドンで一度は優勝して欲しかった。それはとうとう叶わぬ夢となってしまったが、負けても格好良かったじゃないか。別にanother Andyを責めるわけではないけれど、ロディックは負けても泣かない人だった。泣きたい気持ちであったとしても、上手なスピーチで観客を沸かせることができた。

そのアンディが、デルポトロ戦で負けを意識したとき、泣きそうで陣営のほうを見ることができなかったと試合後語った。この1週間、まるで子供が公園で遊ぶような気持ち、innocentな気持ちでテニスを楽しんだ、そう話すのを見たとき、涙を堪えられなかったのは私だけではあるまい。

トップ4はともかく、最近どうも個性を感じられないプレイヤーが増えてきたような気がする中、アンディは、誰にも真似のできないビッグサーブで観る者を圧倒した。半面、リターンのほうは正直言ってお粗末な印象もあったことは否めないが、これほど個性的な人はいなかった。これほどチャーミングな人も。

アンディ・ロディックの引退により、確実に何かが終わった。そう思う。さようなら、アンディ。長い間楽しませてくれて有難う。お疲れさまでした。
# by slycat | 2012-09-07 02:30 | テニス