ミステリ・テニス・ハムスター・モルモットについてあれこれと……
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ひよこはなぜ道を渡る:翻訳者に乾杯!

ひよこはなぜ道を渡る
エリザベス・フェラーズ/中村有希 訳 創元推理文庫
〜トビー&ジョージ・シリーズ〜

コナン・ドイルがシャーロック・ホームズ・シリーズを発表してくれたおかげで、探偵には「ワトソン」が必要だ、ということになり、ポワロにはヘイスティングス、ネロ・ウルフにはアーチー・グッドウィン、というように数々のユニークなワトソンが生まれた。本書でも、積極的に捜査に関わるトビーに対して、ジョージというワトソン役が登場するが、実はこの2人の関係こそが最大のトリックになっている、というのがこのシリーズの面白さである。
 残念ながらシリーズは5作で終わっているが、このたび5作目が上梓され、シリーズが完結した。書きたいことは、まさにその点にある。f0061021_19491879.jpg



東京創元社は非常に良心的な出版社だと思っているが、読者のあずかり知らぬところで苦労が多いようだ。海外の優れた作品を探し出して出版し、人気が出たところで、いきなり別の出版社に版権をさらわれる。シリーズを読み進むうちに他社から新作が出るので、そちらを読むと、翻訳者が未熟だったり編集者がヘボだったりして作品の印象が変わってしまい、不快な思いをさせられたことが何度もあった。
 かと思うと、せっかく発掘したのはよいけれど、思うように売り上げが伸びなかったのか、シリーズ途中で先が出ず、いつの間にかほかの作品も絶版になってしまうケースもある。原書で読めばよいのだろうが、やっぱり外国語で何百ページも読むのは疲れるし、洋書の専門店が減っているため、いちいちネットで取り寄せなければならないのも面倒だ。出版社たるもの、一度紹介したら最後まで責任をとってもらいたい、と思うのが人情だ。

今回、私がいたく感心したのは、翻訳者の中村氏がシリーズを完訳するために用いた戦略である(訳者あとがきより)。本シリーズの本邦初公開は、第4作。インパクトのある作品をまず紹介することで評価を得て、シリーズ全部を訳し切ろう、と賭けをしたという。目論みは当たった。トビー&ジョージは人気者となり、次の翻訳が心待ちにされるようになる。しかしここで終わらないのが中村氏の偉いところ。次々にほかの作品を訳しては編集部に持って行った。
 出版社にとって何をさておき発行したい、と思う素晴らしい作品があったとしても、翻訳に時間がかかっては世に出すことができない。グリシャムの本は凄く面白いが、これだけ日本に数が紹介され読まれているのは、翻訳スピードがめちゃめちゃ速い、という噂の翻訳者・白石氏の功績も大きいと思う。
 企画をひねり出すのに日々格闘している編集者たち、目の前に完成された原稿があれば、じゃあ出版しようかな、と思うに違いない。しかもシリーズの人気はすでに保証されており、柳の下のドジョウを狙って他社では絶版扱いだった同じ著者の作品が再版されている。お蔵入りにする理由はなかった。

かくして中村氏のおかげで本シリーズはすべて翻訳され、私たち読者はトビーとジョージの冒険をすべて読むことができるようになった。中村氏はまだ30代、このシリーズでデビューしたというが、今後の活躍を大いに期待したい。

ところで肝腎の本書だが、犯罪を疑わせる現場があるのに、発見された遺体は自然死、というわくわくする設定。ジョージの出番は少ないものの、しっかり要所要所が締められている。これで彼らコンビとは会えないのだなと思うと寂しいが、少なくとも読み逃しはないのだという満足感を与えてもらった。改めて中村氏に感謝、である。
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by slycat | 2006-04-02 19:52 | ミステリ
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