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ミステリ・テニス・ハムスター・モルモットについてあれこれと……
by slycat
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所詮は人間だもの

勤め人はみんなそうだと思うが、帰宅して、身の回りのことを片付けて、ああやれやれと思うともう深夜になっている。そこでテレビをつけると、ろくな番組がないので、それほど好きというわけでもないのにNHKばかり見ることになる。
 夕べも、韓国で起きた研究データ捏造事件を扱った番組をぼーっと見ていた。患者の遺伝子を基に身体の一部を作製し、難治性の疾患を治療するという再生医療。この治療法実現のため欠かせないES細胞をクローン技術によって作り出すことに成功した、と偽った医師らの「悪行」の顛末が語られていた。
 科学の世界で誰よりも先に業績を残したい、あわよくばそれで富・名誉を得たいと思う研究者の気持ちは、わからないでもない。そしていったん名誉を得た者が後押しをすると、捏造されたデータに基づくものであっても誰も疑わず、偽りの結果が一人歩きしてしまう構造も、そんなものかねぇ、と納得する。
 結局人間は無からは何も作れないのだ。人間の力を過大評価してはいけないな、と思う。ちょっとがっかりだ…。

しかし利用された患者の父親が語った言葉には、ズキンとした。脊髄を損傷した少年は、「夢の治療」の実現を信じて、自ら痛い思いをして細胞を提供した。少年に「また歩けるようになる」と約束し、親子に儚い夢を抱かせた医師に対して、さぞかし恨み骨髄だろうと思ったが、父親は「腹を立てる余裕すらない」と言った。「息子が歩けるようになるという可能性が1%もなくなってしまったのだから」。

この事件ではさまざまな人たちが迷惑を被ったが、権威を傷つけられた雑誌や肩入れして大恥をかいた研究者、それぞれの失望をすべて合わせても、「健康になれる」「普通の生活が送れるようになる」と期待した患者とその家族に与えた喪失感、絶望感の大きさには比べられない。人にとって可能性を奪われることがどんなに残酷か、まざまざと思い知らされた。

あの親子が、この事件で受けた痛手を乗り越えて、心から笑える日が早く来ればいいなと願う。
 
by slycat | 2006-08-24 01:37 | 日常のこと
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