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ミステリ・テニス・ハムスター・モルモットについてあれこれと……
by slycat
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エナン2連覇達成

Sony Ericsson Championships FINAL
J. Henin d. M. Sharapova 5-7, 7-5, 6-3

いやぁ〜凄い試合でした。開催前は「エナンのone-woman showとなりそうで面白くない」などと言われていたこの大会、決勝にきてここまで縺れるとは……。何事も、終わってみるまではわからない。
 今日のシャラポワの気持ちの強さとパワー溢れるプレーには脱帽である。素晴らしい戦いぶりだった。負けても涙など見せないところがニクい。そしてエナン。あの小さい身体のどこからあんなガッツが生まれてくるのか。この2人、本当にただ者ではない。

第1セットのエナン、準決勝のときよりサーブも入っており、オッこれはいけそうだ、と早合点させられたが、シャラポワの集中力とショットのパワーが半端じゃなかった。前日、イバノビッチの好プレーには何とか対応できたエナンだったが、やはり今の時点ではシャラポワとイバノビッチには大きく差があるように思われた。強い。サーブの入りもどんどん悪くなり、決まるはずのショットも決まらず、エナンはじりじりと追い詰められていった。第12ゲーム、デュースが続くこと何と10回。実況アナウンサーが再三、「逆境に追い詰められてからが強いエナン!」と言ってくれるのだが、彼女のファンとしては、「何も自分から逆境を作らなくてもいいのにぃ」と思う。エナン、痛恨のフレームショット。ラケットを投げる。シャラポワがセットをものにした。

第2セットに入っても状況はあまり変わらなかった。それぞれのゲームのたびにデュースになり、試合は長引く。ブレイクしたかと思えばされ返され、見ているほうもどっと疲れる。あぁせめてもうちょっと1stサーブが入ればいいのに……。力も互角、メンタルも互角、たったひとつのミスが命取りとなり、たったひとつのウイナーをどちらが取るかで勝負が決まる。息詰まる展開となった。

しかし長引く試合の中で、驚異的な集中力を保ってきたシャラポワに変化が見え始める。必死に打ち返すボールがネット。第2セットを落とし、第3セットの第3ゲームをブレイクされる。第5ゲームをキープした後、トレーナーを呼ぶシャラポワ。どこか具合が悪いのだろうか。父親のユーリさんが心配そうに立ち上がるところが映し出された。
 サーブが入らなくなってくる。明らかに勝負を焦っていると思われるミスが続く。精神力ではぴか一の彼女も、気持ちだけでは体調の崩れに対抗できなかったかったのかもしれない。

一方、こちらも絶好調とはとても言えない状態のエナンだったが、前日に訴えていた脚の痛みは、我慢できないほどのものではなかったようだ。長いシーズンの終わりに、プレイヤーなら誰もが経験する、疲労が蓄積した結果の不調ということだろう。少なくとも、エナンのほうにはまだ、もうひと踏ん張りする気力が残っていた。

テニスのことを書くたびに、「死闘」という言葉を使ってきた。しかし、今日ほど「死闘」の言葉にふさわしい試合は見たことがなかったように思う。5-3になっても、マッチポイントを握られても、シャラポワの闘志は途切れなかった。対するエナンも、ひとつのチャンスを逃すまいと、ボールに食らいついていった。お互いに声を張り上げる。苦しそうなシャラポワだったが、それでも簡単に打ち負かせない。もう限界か、と思われたときにもスーパーサーブを放ってくる。荒い息をついて、全力で立ち向かってもなお立ちはだかる相手だった。

何が勝因だったのか、試合が終わった今でもよくわからない。とにかくエナンが勝った。力は紙一重だったと思う。2人とも、最後まで勝負を投げたりしなかった。誰も諦めていなかった。
 しかし、これがエナンの強さなんだよねぇ。ハラハラさせて、困らせて、もう駄目かと思ったところで盛り返して勝つ。だからファンをやめられない。

試合後のセレモニー、さすがにこわばった表情のシャラポワだったが、準優勝のトロフィーを手渡されて、さっと笑顔を作って頭上に掲げたのには感服した。悔しかっただろうし、つらかっただろう、それでも健気にスピーチをこなし、観客に感謝を表した。まだ20歳なんだよね、実に立派だった。

エナン。今年は離婚で全豪オープンをスキップした。他人にはわからない痛みを抱えながら、よくぞここまできたものだ。彼女のよさは、困難に見舞われたとき、運命を呪うことに時間を費やさず、自分を支えてくれる人々に感謝するほうへと気持ちを切り替えられることだと思う。それがこの驚くべき強さを生むのだろう。
 ファンとしては、今後の連勝記録更新、グランドスラム達成などと欲張りな期待が高まるばかりだが、シャラポワを始めとしてイバノビッチ、ヤンコビッチと次の世代がすぐそこまで追いついてきている。25歳の彼女にとって、来年以後、思うような成績が残せなくなることもありうる。
 それでも、エナンならできるんじゃないか、実現するんじゃないか、と思わせるところが彼女の凄さ。来年も、大いにハラハラさせてほしいものである。
by slycat | 2007-11-12 05:07 | テニス
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