人気ブログランキング | 話題のタグを見る

ミステリ・テニス・ハムスター・モルモットについてあれこれと……
by slycat
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31
カテゴリ
全体
ハムスター
テニス
ミステリ
日常のこと
音楽
その他スポーツ
大相撲
映画
小説
ドラマ
高校受験
文楽
旅行
ウサギ
モルモット
未分類
以前の記事
2019年 07月
2016年 08月
2016年 03月
2016年 02月
2012年 09月
2011年 07月
2011年 03月
2010年 10月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 02月
2009年 11月
2009年 10月
2009年 09月
2009年 07月
2009年 05月
2009年 04月
2009年 03月
2009年 02月
2009年 01月
2008年 12月
2008年 11月
2008年 10月
2008年 09月
2008年 08月
2008年 07月
2008年 06月
2008年 05月
2008年 04月
2008年 03月
2008年 02月
2008年 01月
2007年 12月
2007年 11月
2007年 10月
2007年 09月
2007年 08月
2007年 07月
2007年 06月
2007年 05月
2007年 04月
2007年 03月
2007年 02月
2007年 01月
2006年 12月
2006年 11月
2006年 10月
2006年 09月
2006年 08月
2006年 07月
2006年 06月
2006年 05月
2006年 04月
2006年 03月
2006年 02月
最新のトラックバック
お気に入りブログ
More to life
はむぅの宴
la mer | アンデ...
よる記。
メモ帳
ライフログ
検索
タグ
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧


Pacific Life Open 2008準決勝

N. Djokovic d. R. Nadal 6-3, 6-2
M. Fish d. R. Federer 6-3, 6-2

いよいよ今年のマスターズ・シリーズが開幕した。準決勝の顔触れを見れば、順当にランキングNo. 1、2、3の選手が揃っている。全豪オープンでパッとしなかったナルバンディアンがQFまで勝ち進んだのは喜ばしいことだったが、残念ながら思わぬ相手に敗れて姿を消した(あぁ、返す返すも残念だ……)。

そのナルバンディアンを打ち負かしたのが米国のマーディ・フィッシュである。ロディックの高校時代からの友達だ。
 2003年にロディックがNo. 1になったとき、記者会見の席にシャンパンの瓶を手に乱入してロディックをビショビショにした映像が思い出される(2人で散々騒ぎまくった後で席に戻ったロディックが、何事もなかったかのように「で、ほかに質問は?」と言ってさらに座を沸かせたのが楽しかった)。またロディックがクレジットカードのCM「モージョ」のシリーズに出演していたときも、フィッシュが一緒に映っていた。よほど仲がよいのだろう。
 しかし、常にトップ10を維持してきたロディックとは異なり、フィッシュは手首の故障などで伸び悩み、一時は300位以下までランクを落としてしまった。昨年、全豪でいいせんまで行ったな、と思ったが、親友ロディックの前に完敗。ライバルがひしめき合う米国でテニス選手という道を選ぶだけでも大変なのに、いつも友の後ろを歩かなければならない人生、その厳しさは半端ではないだろう。

そのフィッシュが、この大会でアンドリエフを敗り、ダビデンコを敗り、ヒューイット、ナルバンディアンを下して準決勝に上がってきた。これは凄い。
 久しぶりに彼を見ると、何だか太ってお腹が出ているし、何年か前から生やしている髭の下の顎も少々たるみ気味。著明なスポンサーから見放されたのか、冴えないウェアでの登場である。一体どうやってここまで勝ち進んできたのか、No. 1のフェデラー相手にどんなプレーで対抗するのか、興味津々だった。

第1試合
第1試合はナダル vs ジョコビッチ。若い2人のプレーはスピード感があり、しかも伸び伸びとしていて面白い。加えて、お互いに持っている抽き出しの多いこと。若いのに決して力任せではないし、慌てて凡ミスをすることもない。ジョコビッチに至っては、ラリーの途中でラケットを落としてしまったのに、拾ってまた打ったボールがウイナー、などというシーンが見られた。
 先にブレイクしたのはナダルだったが、すぐにジョコビッチが追いつく。ここのところずっとフェデラーとナダルの対決が注目を集めてきたが、今後はこの2人の闘いがメインとなって続くだろう。数年後のテニスシーンの行方を予測する意味でも、一瞬一瞬が見逃せない。
 しかし、グランドスラムのタイトルを取ったジョコビッチ、昨年までの彼にはなかった貫禄とスター性が出てきたように思う。厳しいラリーを制したときの、観客を鼓舞するジェスチャーなど、堂々たるものだ。
 ナダルには、コートの雰囲気を利用して観客を味方につける“パフォーマー”としての才能はないらしく、それが少し残念である。もちろん生真面目なところが彼の魅力なのだが……。

ナダルにとって気の毒だったのは、第1セット第8ゲーム終了の時点で右足に怪我(マメか、爪が剥がれたか)のためトレーナーを呼んだのに、結局第9ゲームが終わるまで(第1セットを落としてしまうまで)治療できなかったことだ。ルール上仕方がないのだろうが、気持ちがダメージを受けたことだろう。治療にはだいぶ時間がかかった。また、ナダルが不満を漏らしたのか(?)、ATPのスーパーバイザーが出てきて彼と話をしていた。

その後もナダルはもうひとつ元気がなかった。もちろんやられっ放しだったわけではない。ブレイクのチャンスはあった。しかしジョコビッチにはとにかく隙がない。一貫して落ち着いていた。
 ハードコートだから仕方ないよ、と言いたいところだが、ナダルにしてみればNo. 1になるためにはハードコートでこそタイトルを取りたいだろうから慰めにもならない。派手なガッツポーズが見られなかったのも気になる。大人になった、ということなのかもしれないが、余計なことをあれこれ考えているのではないか、とも思う。左の手の甲に何か文字が書かれているのが目を引いたが、“おまじない”だったとしたら、何かのっぴきならない問題を抱えていたのかもしれない。

ジョコビッチは見事だった。終始波がなく、出るべきところでしっかり勝負し、些細なミスにも動じなかった。高い打点からの強烈なフォアやバックのダウン・ザ・ライン、見せ場も多かった。スコア以上の試合だったと思う。今年のNo. 2、3の直接対決、まずはジョコビッチが一歩リードした。

第2試合
第2試合については、あれよあれよという間に終わってしまい、狐につままれたような気持ちだが、結果は偉大なものだ。ランキング98位のフィッシュが、フェデラーを敗る。フィッシュには大変失礼ながら、こんなことになるとは夢にも思っていなかった。
 フェデラーはウイルス性疾患を抱えているということで顔色も優れず、試合前から体調はどうなんだと危惧されていたが、何のかんの言っても準決勝まで来たのだ、多少具合が悪くても勝つのだろうと思っていた。
 片やフィッシュは上記のとおり、何となく太っていて(申し訳ないけど)、動きも重いように見え、左右に振られたら追いつけそうもないな〜なんてことを思っていたのだが。あにはからんや、振り回されたのはフェデラーのほうであり、終わってみればフィッシュの圧勝といってよい出来だった。

素人なのでよくわからないのだが、フィッシュのボールは重そうだった(武侠小説の世界で言う“内力”が込められているみたい)。フラットなボールだそうだ。決して流れるようなきれいな体勢で打つわけではないのに、面白いように決まる。また、成功するしないにかかわらず、ネットにもよく出て行った。強気でなければできないことだ。いい意味で何も考えず、思い切りラケットを振っているように見えた。
 最初は、「フェデラーはいつも立ち上がりがよくないから……」などとたかをくくっていたものの、第1セットをフィッシュが取った時点で、これはどうも、フィッシュが勝ちそうだ、と気づいた。母国の人々の応援を受け、フィッシュはまさに水を得た魚だった(と、これが言いたかった)。

試合後、観客に向かって“ハグ”の仕草を繰り返したフィッシュ、穏やかな笑顔が印象に残る。ずっとずっと苦労してきた人の努力がある日突然報われる、その時を共有できたのが何より感動的だ。誰の人生にもこういう日があるんだな、と思えなければ、明日を生き続ける意味が見出せない。フィッシュよ、希望を与えてくれて有難う! よくぞこの日を迎えたね!と彼を讃えたい。
 そして体調が悪いのに耐えてこの大会に出場し、ここまで勝ってきたフェデラーも賞賛に値する。やはりあなたの強さは本物だ。悔しさを人に見せないためにか足早にコートを後にしたフェデラーだが、彼ならきっと病気とうまく付き合って、やがて活路を見出すことだろう。

ナダル、フェデラーにとってはとんだ“ヨナの日”となってしまったが、マスターズシリーズは開幕したばかり。これからチャンスを生かして欲しい。
 そして明日の決勝の行方は……。こうなったらフィッシュに勝ってもらいたいと思ってしまうが、どうだろう。明日は早起きしなくっちゃ。
by slycat | 2008-03-23 15:12 | テニス
<< Pacific Life Op... taspo >>