ミステリ・テニス・ハムスター・モルモットについてあれこれと……
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悪は罰せられ、正義は勝つ(のかなぁ)

検視審問ーインクエストー
パーシヴァル・ワイルド/越前 敏弥 訳 創元推理文庫

江戸川乱歩が絶賛したという幻の名作(1940年)だそうだ。そう言われると読みたくなるではないか。検視審問という制度が日本にはないので事情はよくわからないが、アメリカでは死因を法的に確定するために行われ、検死官、検視陪審員が証拠、証人の証言を基に事件を審議していたらしい(現在でも行われているかどうかは知らない)。

古き良き時代の雰囲気が漂っているかと思えば、意外と古さは感じないが、お膳立てはオーソドックスである。舞台はコネチカットの小さな町に住む人気作家ミセス・ベネットの館。彼女の70歳の誕生日に起こった殺人事件。犯人は誰か、そして何のために殺したのか。この謎を4回にわたる公判の中で解いていく。

ユーモアのひねりが効いていて、読んでいると思わずニヤッとする箇所がふんだんにある。正論を吐く者に限って大した人物ではないとか、文学と三文小説の違いとか。著者の本業は劇作家だそうで、なるほど登場人物の一人ひとりが生き生きと描かれており、忘れ難いキャラクターが次々と現れる。

以前、「どうして人が殺される話なんかを面白いと思うの?」と訊かれたことがあるが、ミステリを読む楽しみとは、人間性についてあれこれ考えることじゃないかなと思っている。
 現実の世界でも毎日のように事件が起きているが、それはなぜなのか。何が人を追い詰めるのか。ミステリ作家が描きたいのは、つまりそういう問いへの彼らなりの回答なのだと思う。そして悪が滅び、正義が勝つ結末であって欲しいと望むのは、現実においても希望を持ち続けたいからにほかならない。

事件の謎そのものは、こんなものか、という感じだし、割合初期の段階で犯人はそれと知れてしまうのだが、それは本書を楽しむ上では些細なことである。公判において読み上げられる、あるいは語られる証言の裏表に、「ははぁ、そうきたか」「ほぉ〜なるほどね」とうなずきつつページを繰り、最後に本を閉じるときにはふーっと息を吐いて、「いやぁ〜お見事!」と言いたくなる。巧みな話術にぐいぐいと引き込まれていく満足感。作者の人間観察は大したものだ。

最近は面白いミステリを探すのがひと苦労となってしまったが、創元でこうして過去の名作を復刊してくれるのが楽しみだ。本作の続編もいずれ刊行されるというので、期待して待っていよう(あまり間をおかずに訳してくれると有難い)。

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by slycat | 2008-04-21 01:45 | ミステリ
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