ミステリ・テニス・ハムスター・モルモットについてあれこれと……
by slycat
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第164回文楽公演:清十郎さん、おめでとうございます

9月13日(土)、文楽9月公演第1部に行ってきた。だいぶ時間が経ってしまいボケもいいところだが、書いておかないと忘れるので……。

近頃河原の達引
〜四条河原の段〜
今回も最前列の席だった。三宅坂の劇場は字幕が左右にあるのだが、全然見えない。パンフレットに挟まれているミニ床本の文字を追おうとしたが、照明が暗くてこれも無駄。耳を澄ませて語りに集中するしかない。
 「予習」を全然していなかったのでどんなお話なのかもわからない。だが、見るからに悪そうな奴(亀山藩勘定役横渕官左衛門)が出てきて、主人公のひとりらしき井筒屋伝兵衛を待ち伏せの上殺そうとしているらしい。

駕篭がやってくる。もちろん伝兵衛が乗っているので、官左衛門が邪魔をする。伝兵衛は官左衛門が大事な茶入れ(亀山藩の若君が将軍家に献上しようとしている)を持っているので、返してくれるなら何でも堪える、と官左衛門がバシバシ打ち据えるのを我慢する。
 はなから伝兵衛を殺すつもりなのに、面白がって伝兵衛を叩く官左衛門は唖然とするほどイヤな奴で、実にわかりやすい展開である。しかし堪えていた伝兵衛も、官左衛門が茶入れを投げ捨てて砕いてしまうに至って堪忍袋の緒が切れる。官左衛門の刀を奪って逆に斬り殺してしまう伝兵衛。
 伝兵衛の自害を止めたのは、彼に恩のある久八。大事な茶入れが壊れてしまった上に人を殺めたと気も狂わんばかりの伝兵衛を前に、妙に落ち着いている。実は官左衛門が壊した茶入れは偽物で、本物はちゃんと別にあるという。そして罪は自分が被るから、と伝兵衛を逃がす。

〜堀川猿廻しの段〜
実家に帰った遊女おしゅん(伝兵衛の恋人)には盲目の母と猿廻しを生業とする兄がいる。久八が伝兵衛の罪を被ったはずだったが、すでに伝兵衛が官左衛門殺しの犯人であるとバレており、母と兄はおしゅんのことが心配でたまらない。おしゅんも伝兵衛の身を案じながら、母と兄の気持ちが痛いほどわかっている。3人が互いを思いやる気持ちが交差する。
 妹(娘)を助けたい一心で退き状を書けという兄と母。おしゅんは母が盲目であり兄が無筆であることを「利用して」退き状の代わりに遺書を書く。伝兵衛の登場でそれが判明し、妹(娘)の決意が固いことを察して、母と兄はおしゅんと伝兵衛の旅立ちを猿廻しで祝ってやることにする……。

盲目の母のためにおしゅんが煙管に火をつけてやるシーンは、現代であれば「年寄りに煙草を喫わせるの?」と問題視されそうだが、いかにも「プロ」の女性らしく手際がよく、なおかつ母をいたわる気持ちが溢れていて美しい。
 しかしこの段の場をさらうのは、おしゅんの兄、与次郎である。コミカルな仕草で観客を笑わせる一方、妹想いの優しさで泣かせる。妹が退き状を書いたのに安心し、休むように促すシーン、妹にはふかふかの布団に高枕、その上自らの丹前(?)まで掛けてやるが、自分は煎餅布団にくるまって寝る。
 伝兵衛には伝兵衛の事情があるのだが、この母とこの兄を見てしまうと、おしゅんは悪い男に引っかかったものだなぁ、運が悪いなぁと思ってしまうのだった。

五世 豊松清十郎 襲名披露 口上
今回の公演、何と言っても清十郎さんの襲名がメインなのだった。ロビーはいつもにも増して賑やかであり、特別に華やかな雰囲気に溢れていた(住大夫さんの奥様もいらっしゃっていた。ロビーでお顔を見かけたのは初めて)。
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歌舞伎などを見慣れている人たちには珍しくないのだろうが、「襲名」という大事なときに立ち会うのが初めての私には、何もかもが目新しく厳粛に感じた。
 清十郎さんを中心に両側を重鎮が固め、口上が述べられる。清十郎さんご自身はひと言も語らない。文字久大夫さんが「司会」のような役割を務め、住大夫さん、寛治さん、蓑助さん、勘十郎さんが清十郎さんの襲名を祝う。
 「恐悦至極に存じ上げ奉ります」……うわぁ、時代劇みた〜い、などと内心はしゃいでしまった(なぜか寛治さん、勘十郎さんは「普通」の丁寧語だったが)。家に帰って夫に報告したら「襲名なんだから当たり前だろ」と言われてしまったのだが、伝統と格式をベースにしたこの儀式に、いたく感じ入った。大事なことがいろいろとないがしろにされがちな現代において、かたくななまでにルールを重んじる人たちがいること、それ自体が清々しいのだった。いい経験をさせていただいた。

本朝廿四孝
清十郎さんの襲名に合わせた、華やかな演出を楽しめる演目。人形を遣う方々も超豪華なメンバーである。

〜十種香の段〜
長尾謙信の館。中央に花作りの蓑作(実は武田勝頼)を配して、左右に夫の死を悲しむ女2人、という舞台構成が凄い。
 亡くなった許婚の勝頼にそっくり、と蓑作に駆け寄る八重垣姫(謙信の娘)。毎日得姿を拝み、恋しさが募ったというのがいじらしい。最初は人違いと突っぱねていた勝頼も、ついには正体を明かす。しかしこれを盗み見ていた謙信が、勝頼に塩尻に向かうよう命じ、刺客を差し向ける。

〜奥庭狐火の段〜
勝頼に追っ手が迫っていることを何とか伝えたい八重垣姫だが、目の前には諏訪湖。どうすることもできない。諏訪明神所縁の兜を手にすると、狐の霊力が宿る。八重垣姫は狐たちに護られ、勝頼の許へ……。

奥庭狐火の段では、まず狐の人形(縫いぐるみ)を操る清十郎さんが白い衣装(肩衣には狐火の模様)で登場。諏訪明神の兜のところへ消えていくと、早変わりで別の色の衣装を身にまとい(左遣いは勘十郎さん、足遣いは……申し訳ない、お名前がわかりません。たぶん吉田幸助さん)八重垣姫として登場。最後に再び衣装が変わり、狐が4体いっせいに出てきてエンディング。
 なぜか、この狐4匹が出てくるところでバッと涙が出てしまった。恋人を案じる一途な思いが頂点に達した瞬間だからだと思うのだが、何というタイミング。冷静に考えれば縫いぐるみなんだけどなぁ。そんなことは全く思わず、ただただ感動した。

11月の大阪公演でもこの本朝廿四孝が披露される。今回、一番前の席だったために八重垣姫が兜を手に水面に写る姿を見てびっくり、というところが確認できなかったので、次回はもう少し後ろの席だといいなぁと思う(しかし残念ながら席は選べない……)。
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by slycat | 2008-09-24 23:41 | 文楽
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