ミステリ・テニス・ハムスター・モルモットについてあれこれと……
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2008年 07月 31日 ( 1 )

死にたくないと思えること

ハプニング(2008年米、原題 The Happening)
監督・製作・脚本:M. ナイト・シャマラン

『ミラクル7号』の翌日、地元の映画館で『ハプニング』を観る。『レディ・イン・ザ・ウォーター』ですっかりシャマラン・ファンになった息子が観たい、観たいと言うもので(ちなみに彼の出世作『シックス・センス』は、情けないことに私も息子も未見である)。

テレビスポットでさんざん「人類は滅びたいのか」のコピーを見せられ、ついでに言えば通勤の際にこの映画のでっかい広告を毎日見ていたのだが(だって改札の横にあるんだもんね)、実際に観てみて……果たして怖かった。

セントラル・パークを発端に、人々が次々と死んでいく。しかも殺されるのではなく、自ら死を選ぶのである。疫病のように広がっていく死の波は、主人公エリオットが暮らすフィラデルフィアにも押し寄せてくる。

ご承知のとおり、シャマラン監督はインドの人である。映画に描かれる「恐怖」の在り方は、ハリウッド的なものとは印象が違う。
 夫はこの映画を一緒に観に行っておらず、観に行くつもりもない、というのでシャマランがどのように描いたのか、食事をしながら説明していたら、例えばあるシーンはヒッチコックの『鳥』みたいだね、と言われた。

しかしヒッチコック(彼はイギリス人ではあるけれど)の恐怖は、あくまでも、わけのわからないものが襲ってくる恐怖、そのために命が危険に晒される恐怖だった。シャマランの恐怖は、わけのわからない理由により、自分で自分の命を断ってしまう恐怖である。しかも、この脅威からは逃げることができないのだ。

ハリウッド映画だったら、この映画のようなことが起こって何人かで安全な地へと逃げることになったら、必ずグループの中に科学者だの勘のいい人だのが1人はいてリーダーとなり、その都度、的確な判断でピンチを乗り切ることになるだろう。万一誰かが力尽きるのだとしたら、それはリーダーの言うことを無視した結果であったり、ほかの誰かを助けるための犠牲的行為の結果であるのだろう。

一応、主人公は科学の教師であるので、一応、起こっている事態に対して冷静に対処しようとはする。しかし、悲劇を防ぐほどの力は与えられていない。肩すかしを食ったような気分になる。
 この映画では、知識や良識があってもあまり助けにはならない。逃げ延びることができるとしたら、それは「運がよかった」ということにほかならない。えぇ〜っだってこれ、映画なのに。映画なのに逃げられないの? 運命を決定するのは人間ではないのだった。これは厳しい。

シャマラン監督が描きたかったテーマは、ひょっとしたら全然別物なのかもしれないが、この映画を観て受け取ったものがある。それは、人が自分で自分を殺すということが、実に醜い、ということである。シャマランは大胆極まりない映像で、これでもか、これでもか、とこの醜さを叩きつける。観るたびに、映画館の座席で私は飛び上がり、震え上がった。

もう時効だろうから書くけれど、こんなおばさんでも20歳前後のときはショーペンハウアーの『自殺について』かなんか読んじゃって、老いて醜くなる前に死んじゃえ、なんて思っていたのだ。しかし実際はこの年齢まで生き長らえている。死ぬ、ということは簡単であってはならない。死ぬ前にはいっぱい考えなければならない。
 死にたくない、と思えることは幸せである。当たり前のことのようだが、自分がこんなに幸せな人間だったとは。『ハプニング』観てよかった! 私は幸せだ!

映画館を出たら、風が吹いていた。ゾッとした。なぜゾッとしたのかは、映画を観た人にしかわからない。
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by slycat | 2008-07-31 22:51 | 映画