ミステリ・テニス・ハムスター・モルモットについてあれこれと……
by slycat
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31
カテゴリ
全体
ハムスター
テニス
ミステリ
日常のこと
音楽
その他スポーツ
大相撲
映画
小説
ドラマ
高校受験
文楽
旅行
ウサギ
モルモット
未分類
以前の記事
2016年 08月
2016年 03月
2016年 02月
2012年 09月
2011年 07月
2011年 03月
2010年 10月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 02月
2009年 11月
2009年 10月
2009年 09月
2009年 07月
2009年 05月
2009年 04月
2009年 03月
2009年 02月
2009年 01月
2008年 12月
2008年 11月
2008年 10月
2008年 09月
2008年 08月
2008年 07月
2008年 06月
2008年 05月
2008年 04月
2008年 03月
2008年 02月
2008年 01月
2007年 12月
2007年 11月
2007年 10月
2007年 09月
2007年 08月
2007年 07月
2007年 06月
2007年 05月
2007年 04月
2007年 03月
2007年 02月
2007年 01月
2006年 12月
2006年 11月
2006年 10月
2006年 09月
2006年 08月
2006年 07月
2006年 06月
2006年 05月
2006年 04月
2006年 03月
2006年 02月
最新のトラックバック
東レPPO 2007
from More to life
華麗なる敗者
from la mer | アンディ・..
ハムスターの飼育の基本
from ペットの飼育 ペットとの生活
矛盾だらけの大相撲
from ゆっくりゆっくり 音楽でも聴..
矛盾だらけの大相撲
from ゆっくりゆっくり 音楽でも聴..
「ナチョ・リブレ 覆面の..
from じゃがバタ~ 映画メモ
ハムちゃん夏ばてしてませ..
from ペットは犬?いやいや私はカメ..
MOTHER3プレイ開始!
from More to life
「ひよこはなぜ道を渡る」..
from 読書とジャンプ
私はこのダイエットで成功した
from 私はこのダイエットで成功した
お気に入りブログ
More to life
はむぅの宴
la mer | アンデ...
よる記。
メモ帳
ライフログ
検索
タグ
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧


<   2007年 05月 ( 9 )   > この月の画像一覧

何だか寂しい

昨日はAIG OPENのチケット先行販売があったのだが、全然電話がつながらず。複数日のチケットを買う場合は電話で、と勘違いしてずっとかけ続けていたのだが、後で確かめたらネット上でも複数枚買えたじゃないか、馬っ鹿野郎。来年は気をつけよう。
 結局買いたかった席はすべて売り切れ。後はプレオーダーの抽選に頼るしかない。サフィン来日(実現はしなかったけど)のときでさえチケットが買えないことはなかったのに。フェデラー効果は今年も凄い。

テニスといえばフェデラー、相撲といえば朝青龍、しかし朝青龍には今、少々陰りが見えている。
 安美錦が横綱を敗ったときは嬉しかった。千代大海が彼らしい相撲で勝ったときも嬉しかった。そして魁皇の上手出し投げ、嬉しいはずなんだけど……。少し寂しい。まさか朝青龍、ピークが過ぎてしまったとか……そんなことはないだろうが。
 1つ負けてしまったことで気持ちが緩んだのか、黒星が2つになってやる気が失せてしまったのか。1敗だったら白鵬と直接対決で勝てば、優勝決定戦に持ち込むことができたんだけど。勝ちっ放しだとつまらないと言い、ちょっと負けが込んでくると寂しがるとは勝手なものだが、これも相撲への愛ゆえと許して欲しい。

一方で嬉しいのは出島の好調。しかも昨日、高見盛に勝った後の出島はいつになく「よっしゃぁ!」という感じで懸賞を摑み取り、気合いに満ちていた。負けても首をかしげる程度、勝ってもにこりともしない出島に、お〜い、もっと感情を出して、と言ってみたかったのだが、今場所の彼はどこかが違う。大躍進で大関になった頃を思い出す。勝って勝って勝ち続けて、勝負の面白さをもう一度噛み締めて、それでまた大関の座に戻って欲しいんだな。

せっかく千秋楽を観に行く予定なのに、14日目で優勝者が決まってしまうとがっかり。千代大海、何とかもう一踏ん張りしてくれないかしら。
[PR]
by slycat | 2007-05-26 02:39 | 大相撲

10日目の土

高校では中間テストが始まり、お弁当作りはしばしお休み。楽ができると喜んだが、体調を崩したので有休を取った。家からは一歩も出なかったが、誘惑に負けて大相撲・夏場所をテレビで観戦する。昼過ぎに帰宅した息子も、ほんのちょっとテスト勉強をした後、のこのことリビングにやってきた(親が親だから、あまり強くは叱れない)。

息子の贔屓は魁皇と把瑠都、私は嘉風、出島、豊真将、安馬が好きである。共通して好きなのは、安美錦、豊ノ島など。豊ノ島は場所前に怪我をしてしまい残念だが、脚の痛みを堪えて毎日頑張っている彼を2人で応援している(アクシデントがあっても諦めない姿勢、息子にも学んでもらいたいものである)。

出島は8勝した後負けてしまい、今日も普天王に寄り切られてしまってがっかりだ。彼のように勝ち方が一直線(悪く言えばワンパターン)な力士には、何か独特の魅力があると思う。ハマれば強いので、このまま好調を保って欲しい。
 ほかのお気に入り力士たちは順調に勝った。息子が尊敬している魁皇は負けたが、今場所の魁皇は、以前と比べてやる気と粘りがみられるので、まだまだ期待は捨てていない。
 今場所の話題は、やはり綱獲りがかかっている白鵬が、成績を伸ばしてめでたく横綱になるかどうか、なのだが、われわれにとっては、まぁこのままいけば優勝かもね、くらいの印象。出島と魁皇が優勝争いから後退したので、やや興味が失せていた。

しかし結びの一番に、面白いことが起こった。全勝を守っていた横綱・朝青龍と安美錦の取組。横綱に右腕を取られて、あぁ一巻の終わりか、と思ったが、土俵際で上手く横綱の右脚を払った安美錦、横綱と一緒に落ちていく……朝青龍のほうが先に落ちた! 思わず息子と2人で「やったぁ〜!」。朝青龍の呆然とした表情。舞い飛ぶ臙脂の座布団。髷に土をいっぱいつけた安美錦が勝ち名乗りをあげて立ち上がると、その頭にも飛んできた座布団がぶつかる……が、平然と引き上げた。一方、横綱は、土俵を下りてから悔しさがこみ上げたらしく、落ちていた座布団を蹴飛ばして去って行った。

決して朝青龍が嫌いなわけではないのだが、フェデラーと同じく、同じ人がずーっと勝っていると、臍曲がりな性格ゆえ何だか気に入らない。滅多にあることでなし、たまには安美錦のように、ちょっと地味目だけど巧い力士が勝つところが見たい。昨日の勝利は凄く嬉しかった。

NHKの殊勲インタビューに応える安美錦、金星の後でも表情はあまり変わらない。同じ部屋の安馬も勝ちましたね、などと振られて初めて笑顔を見せるあたりがなかなか心憎い人である。それにしても、彼を見るたび思うのだが、安美錦ってポケモンの「タケシ」に似ているなぁ。

これで全勝は白鵬1人となった。彼も朝青龍に勝たなければならないので、まだ賜杯の行方はわからないが、先場所の取組がちょいとしょっぱかったので、今度は真っ向勝負で挑んで欲しいものである。千秋楽を観に行くことになっているから、最後の勝負まで優勝を争っていて欲しいな。
[PR]
by slycat | 2007-05-23 02:44 | 大相撲

ナダルの連勝ストップ〜Hamburg決勝〜

R. Federer d. R. Nadal 2-6, 6-2, 6-0

ナダルのボールがネットにかかった瞬間、フェデラーは天を仰いで叫んだ。クレーコート81連勝中だったナダル、万一この連勝を止める者がいるとすれば……やっぱりこの男だったんだ。

第1セットを見たかぎりでは、ナダルの楽勝、と思われたのだが。昨日の対モヤ戦と同様、フェデラーのリターンは高さが足りず、ネットにかかることが多かった。ファーストサーブが全然入らず、セカンドサーブではほとんどポイントを取れず、よっぽどナダルが苦手なのね、という感じだった。

しか〜し。第2セットに入って、フェデラーは別人のように攻め始めた。ナダルのほうも、まるで別人のようにミスを連発した。実のところ、先日のダビデンコ戦でも苦しんだし、昨日のヒューイット戦でも苦しんだけれど、結果的には慌てず騒がずやっぱり勝ったので、それほど心配はしていなかった。

心配になり始めたのは第3セット、フェデラーの2-0となった頃。えっまさか、そんな馬鹿な、と思ったが、ナダルが反撃できないまま、ずるずるとポイントを失っていく。すでにサーフェイスは問題ではなくなっていた。ハードコートの上、芝の上にいるのと全く変わらず、フェデラーはいつも通りのプレーでナダルを追い詰めた。
 ナダルのボールは、いつもに比べて浅かったように思う。そこを突いてフェデラーはネットに積極的に出てはボレーを決める。ナダルが落ち着いてパスで返す場面も勿論あったのだが、もはや手遅れ、だった。

ハンブルクの優勝セレモニーは、日本のAIG OPENと同じく、関係者の紹介がやたらと長い(実は毎年うんざりしているんです、汗をかいた選手たちが冷えちゃうでしょ)。お国柄が似ているのかもしれない。やっとファイナリストが紹介され、ナダルがスピーチをしたが、かつてのコリアのように泣いたりはしなかったものの落胆は隠せず、スピーチは短かった。「81勝したけど、止めたのはやっぱり彼だったね」とボソッと言って笑ったのが印象的だった。
 フェデラーのスピーチはドイツ語だったので(数ヵ国語話せる人には本当に痺れるな〜)、ところどころしかわからなかったけれど、恐らく「2002年に初めて優勝したのがここハンブルクなので、また優勝することができて、とても感慨深い」などと言っていたように思う。2004年、2005年に優勝したときは、もっとジョークを交えて明るく話していたのだが、今日の勝利は彼にとって非常に大きな意味があったのだろう、こちらも意外に短いスピーチだった。

フェデラー、嬉しかっただろうなぁ。試合後、客席のミルカさんに祝福されていたときの顔は子供のようで、またその彼の頰をミルカさんがそっと撫でるような仕草を見せて、微笑ましい恋人たち、と思った。
 あぁ、しかしナダルには気の毒だった。フェデラーに負けるなら仕方がない、と思うしかないのだろうか、でもずっと彼には勝ち続けてきたのになぁ。

最近のフェデラーの不調ぶりを見ていて、密かに今年のローランギャロス優勝候補から外していたのだが、慌ててリストの元の場所に戻さなければならなくなった。やっぱりコイツはただものではない。
 だけどナダルは今日負けたことで、次に出会うときは絶対に負けない、と心に誓ったことと思う。シードから考えれば決勝まで勝ち進まなければ出会いはないが、お互い、相手に会うまではほかのプレイヤーに負けたりはしないだろう。
 2007年ハンブルク。劇的な、劇的な幕切れだった。
[PR]
by slycat | 2007-05-21 00:20 | テニス

Hamburg準決勝

R. Federer d. C. Moya 4-6, 6-4, 6-2

スペインのカルロス・モヤがマスターズ・シリーズに還ってきた。別に出場していないわけではなかったのだが、準決勝まで進んできたのは久々のことで、大変喜ばしい。

モヤは息子のアイドルで、続々と若い選手が頭角を現してきても、決して浮気せず応援し続けている(ちなみに相撲では魁皇、野球では金本を慕っている……)。モヤは30歳。男女を問わずアピールする美貌に穏やかな性格で、しかも191 cmの長身。肩より高いんじゃないかという位置から繰り出すフォアの強打は豪快で美しい。
 しかし2005年に右肩を故障し、トップ20から落ちてしまった。息子の落胆ぶりは甚だしかったが、この年、チェンナイ・オープンの優勝賞金をすべて津波基金に寄付して(アーサー・アッシュ人道賞を受賞)、成績は不本意だったがその格好よさ、潔さが息子を喜ばせた。

その大好きなモヤが準決勝に残ると聞いて、大喜びでテレビの前に陣取った息子が横でいちいち大声で解説(?)するのに辟易しながら、第1試合を観戦した。ハンブルクはまだ肌寒いらしく、観客は上着着用、だがモヤはノースリーブ。それがまた格好いい。
 第1ゲーム、モヤがフェデラーのサーブをブレイク。第2ゲームはフェデラーがブレイク・バックしたので「なぁんだ……」とがっかりした息子、お互いにウイナーの数が伸びないのに相手のエラーに助けられるようなゲーム展開から、徐々にモヤがリードしていくのに驚喜した。
「俺、もしモヤが勝ったら泣いちゃうかもしんない」「嘘だ、お前は他人のことで泣いたりしないでしょ」「いや、魁皇が角番から復活したときも泣きそうになったもん」などと他愛ない会話が交わされた。
 今日のフェデラーは王者の称号にふさわしいプレーができていたとはいえず、とにかくミスが多かった。何だか知らないが、ことごとくボールがネットに引っかかる。対するモヤは、当然クロスで返すでしょう、という場面でストレートにボールを運んだり、ネットに出ているフェデラーのすぐ横を抜くようなパッシングを決めたりと、頭脳プレーで鳴らすフェデラーの意表を突いてポイントを重ねた。
 第1セットはモヤが先取。息子が飛び上がって喜ぶ(狭い家なのに!)。「大体、新旧No. 1対決とか、うるせぇんだよ。モヤはクレーじゃ負けねぇぞ」。母のほうは、「まぁ勝てたら私も嬉しいけれど、フェデラーが相手じゃね……」と冷静を装う。

第2セット、今度はフェデラーが逆襲。スコアが4-1になってしまったので、「ここで頑張っちゃうよりはもうセットを捨てて、3セット目に集中したほうがいいよ」などという母に対して、「いや、まだまだ」と強がる息子。その気持ちに応えたか、モヤがキープして4-2に。7ゲーム目も攻防が続く。「これで4-3に持ち込めれば、次をキープして……そのまま6-6に持っていってタイブレイクで勝てるかも……」。
 今日のモヤは本当に積極的、攻撃的にポイントを取っていった。オープン・コートにボールを打ち込むのが普通だと思うんだが、敢えて相手のいるところへボールを打って、それでミスを誘う。強打ばかりでなく、手首をちょこっと返して緩いボールを打つなど、技が光った。「やっぱクレーだと自信があるんだねぇ」。
 フェデラーのほうは何かが空回りしているらしく、物凄く機嫌が悪かった。何度も「Nein!」と叫んでいるようだったし、カメラがクローズアップで表情を捉えると、ぶつぶつと自分を叱咤するように唇が動いているのがわかった。さすがにユニセフ大使らしく(??)ラケットを折るような真似はしなかったが、自分が描いているプレーと現実とが合致していないのが、傍目にも見てとれた。
 それでも、王者は強い。5-4と食い下がるモヤを振り切り、ついに第2セットを取る。息子はがっかり。「まぁ、まだもう1セットあるさ」。

しかし、第3セットに入ると、フェデラーがふだんの調子を取り戻し、逆にモヤのほうのミスが増えていった。ファースト・サーブの入りも悪くなり、だんだんいいところがなくなった。「あぁもう駄目だ、フェデラーの顔が元に戻っちゃった」と嘆く息子が言うとおり、フェデラーのエラーは断然少なくなり、ウイナーが増えていく。
 5-2からモヤのサービス・ゲーム。追い詰められたモヤの頑張りもここまで。苦しみ、苦しみ抜いたフェデラーだったが、最後に勝ちをもぎ取るあたりは、やはりダテにNo. 1に君臨し続けているわけではない、というところ。決勝進出を決めたのはフェデラーだった。Total points winはフェデラー108、モヤ94、惜しいところだったのだけれど……。

「あ〜やっぱり第2セットで踏ん張るべきだったー!」と地団駄踏みながら、息子退場。ああやれやれ、これでようやく静かにテニスを楽しめる。可哀相だが、モヤもいいプレーをしたんだし、まだまだランキングを上げられることを証明した。第1セットだけでも、夢を見られてよかったと思おうよ。

R. Nadal d. L. Hewitt 2-6, 6-3, 7-5

第2試合はこちらも久々にお目にかかるレイトン・ヒューイット、しかもモヤがクレーの大会で勝ち進むのはいわば当然として、ヒューイットの登場はやや意外(2001年、2004年にもハンブルクの準決勝に進んでいるんだけれど)。しかし13歳まではフットボールをやっていたそうだし、土の上を走るのはお手の物だろうか。

試合が始まってみれば、むしろヒューイットのほうが圧倒的に素晴らしく、えっこれでナダルのクレー連勝(この時点で80勝中)もストップか、と手に汗握る展開となった。
 敵がどんなに厳しいボールを打っても打ち返すのがナダルの身上だが、ヒューイットだって負けてはいない、というか、ランキングNo. 1だった頃のヒューイットの脚力は、ナダルを上回っていたかもしれない。素早くボールの落下地点に移動し、十分な体勢で打ち返す。このしぶとさでサンプラスを退けたんだったよね……とまるで過去の人みたいな言い方だが、He is back! とばかりにナダルを苦しめた。

第1試合のフェデラーが決して絶好調とはいえず、ミスが多くて嫌な感じだったのに対し、こちらの2人の打ち合いには見応えがあった。そして、先週のダビデンコ戦ともまた違った味わいのラリーが続く。第1セットをヒューイットが取ったときは、わーもうナダルもこれまでか、と思われた。

苦しんでも諦めないのがナダル、第2セットはしっかり気持ちを切り替えて今度は6-2で取り返す。解説の白戸さんによれば、高く弾むボールを上手く使っていったのだそうだ。でもヒューイットならすぐに慣れてしまって対応するだろうし、油断はできない。

第3セット、勢いに乗るナダルがブレイク先行。だがヒューイットの力も落ちていない。きれいなバックハンドのボールがコートぎりぎりのポイントを狙って落ちて行く。
 この試合、2人があまりにも際どいボールを打つので、主審のノームさんはしょっちゅうチェアを降りてはボールの跡を確認しなければならず大変だった。まぁ、座りっ放しよりは健康にいいのかな。
 第8ゲーム、ヒューイットの見事な攻め。4-4に追いつく。第9ゲーム、ナダルがキープして5-4。これを落としたらもうおしまい。コート整備のおじさん、お兄さんたちも、ファイナルセットなのでずっとコート脇から観戦している。ヒューイットの逆クロスがネットに当たってアウト、思わず「No〜!」と叫ぶヒューイット。しかし30-30から再び放った渾身の逆クロスが決まり、お馴染みの「Come on!」が出た。このゲームはヒューイットがブレイク。
 第11ゲーム、ヒューイットの頑張りが続いたが、思わぬところでボールがアウトとなり、ナダルがブレイク。素晴らしい試合に喜んだ観客席ではウェーブが起こる。
 第12ゲーム。またもヒューイットが攻め、ナダルは15-40に追い込まれる。ヒューイットのボールがネット、30-40。ここでナダルがセンターに凄いサーブを打ってデュース。ヒューイットのボールがアウト。最後はお互いにドロップショット、ロブ、ドロップボレーと、ボールを巡って技と身体能力がぶつかり合った挙げ句、ナダルのパスで試合終了〜! ナダルはクレーでの81連勝を決めた。

コートを去るヒューイットに送られる惜しみない拍手。奥様のヴェロニカさんも、夫の素晴らしいプレーに立ち上がって拍手していた。感激のまなざしだった。いい奥様だなー。

第1試合、第2試合とも、久々の顔が登場していいプレーを見せたものの、結局No. 1とNo. 2が勝ち進む結果になった。でも、これから始まるローランギャロス、モヤもヒューイットも2週目に残っていくんじゃないかと期待が膨らむ。
[PR]
by slycat | 2007-05-20 01:30 | テニス

弁当作りの虎の巻

毎朝息子の弁当を作るようになって早1ヵ月。食い意地が張っているので、料理の本はたくさん持っているが、30年以上大事に使っている「虎の巻」がある。それは、新聞代金を支払うと領収証と一緒に貰えた小さな冊子である。これらの冊子は、朝日新聞大阪本社が制作し、配布していたものである。一応頒価50円と書かれているが、もちろんいちいち代金を支払って買ったものではない。

私の手許にある冊子『さんさん』は、No. 1〜25、大阪には2年半しか住んでいなかったので、最終的に何号まで発行されたのかはわからない。テーマごとに編纂されていてNo. 1は「切る」、No. 2は「スパイス」といった具合で、No. 15が「弁当」である。内容は家庭面・弁当のおかず欄から抜粋されている。

料理初心者であれば、この冊子は不親切だ、これじゃ料理は作れない、と言うだろう。献立によっては詳しく分量など書かれているが、どちらかと言えばある程度料理の心得がある者に向けた内容である。「3枚おろしのサバをそぎ切りにし、塩、こしょう、小麦粉をつけ、両面軽いこげめがつくくらいに油焼き(前日に)。…」という感じで、サバを3枚におろせない人のことは考慮されていない。
 だけど、これが結構面白く、大人になった今でも捨てられずにいるのは、ものを無駄にしない精神がそこかしこに見られるからだ。関西人の知恵、と勝手に信じている。

例えば「通勤弁当2週間」と題して曜日ごとに2種類の献立を紹介するページ。
(1)鶏肉のドーナツ焼き
(2)ヒラ豆の油いため(ヒラ豆がどんな豆なのか、実は知らない)
(3)なすのゴマ油焼き
(4)カリフラワーの甘酢
(5)青菜ご飯
 青菜ご飯の作り方は「青菜(大根葉、菊菜)を塩ゆでして水に取り、固くしぼってみじん切りにし、ご飯にまぜ、食塩といりゴマをふる」。
 大根の葉を捨てずに使うって、人によっては「あったりまえじゃん」と言うかもしれないが、私が小中学生だった頃でさえ、東京では大根は葉を切った状態で売られていた。今じゃ、スーパーでは葉がないどころか半分に切られて売っている。レシピに堂々と「大根葉」と書かれているのがいいじゃないですか。
 そのほかにも「ししとうがらしとチリメンジャコのいり煮」「半月卵の甘酢煮」「ゆかり大根(大根せん切り、梅づけのしそ)」など、お金をかけずにひと手間かける料理が並んでいて、とても参考になる。

中2の夏休みに再び父の転勤で横浜に引っ越したが、横浜では『さんさん』にお目にかかることはなかった。関西でずっと暮らす人の何人がこの『さんさん』をとっておいただろう。まだ持っている人がいたら、ちょっと会ってみたい気がする。



f0061021_2135425.jpg

f0061021_2141314.jpg
[PR]
by slycat | 2007-05-15 02:17 | 日常のこと

Rome決勝

R. Nadal d. F. Gonzalez 6-2, 6-2

昨日苦闘を強いられたナダルが、楽勝だったゴンザレスに勝てるのか。しかし試合が始まってみると、昨日の試合が嘘のよう。昨日は、解説の辻野氏が繰り返し言っていたようにボールが短く、浅くなりがちだったのだが、今日はしっかり深いボールを打っていき、足の運びも軽やか。一晩眠っても翌朝疲れがとれない我が身と比べると、羨ましいばかりの回復の速さである。

対するゴンザレスは、最初のサーブがよかったので期待したのだが、グラウンド・ストロークになると何か大振り〜、という感じで冴えない。やっぱり「欲しがり過ぎ」か。ドロップショットはとてもいいんだけど……。第1ゲームからあっさりブレイクされてしまい、そのままズルズルとエラーを多発して自滅していく。おいおい昨日の勢いはどこへ?

ナダルというのは不思議なプレイヤーで、これ!という特徴を説明し難い。左利きなので新鮮な印象があり、打つフォームが独特なので見ていて楽しいが、これが決め球、というのは知らない。打つときに強くスピンをかけているらしいが……。
 かたやゴンザレスは、非常にわかりやすい武器、強烈なフォアハンド・ショット、を持っている。普通に考えれば、何かひとつ得意なものがあるほうが有利に思えるのだが……。
 第1セット、セットポイントを迎えたナダルがサーブアンドボレー。ボールを受けようとしてひっくり返ったゴンザレス、背中一面が土で染まってしまった。何だか切ない。

第2セットもナダルのブレイクで始まる。ゴンザレスはあくまでも我が道を行く様子。それが彼の好ましいところなんだけど、もうちょっと何か変わったことをしたほうがいいのかも。昨日はダビデンコに押されてベースラインから動けなかったナダル、今日はネットに出る回数が多かった。より積極的にポイントを取ろうとする姿勢が伺える。あっと言う間に3-0に。
 しかしこのままじゃぁ終わらないのがゴンザレス。ナダルのサービス・ゲーム、今度は先にポイントを取り、30-40まで追いつかれたものの絶妙のドロップショットでブレイクに成功、続く自分のゲームもキープして3-2となった。 
 ナダルにミスが見られ始め、集中力が途切れてきたのかな、と思いきや、すぐさまセンターへの見事なサーブを決めた。大したものだ。4-2。
 第7ゲームを落とすとゴンザレスにはかなりヤバい状況になる。コート上空にはヘリコプターか何かが飛んでおり、この大事なときにやたらとうるさい。ゴンザレスの決めショットが何度もネットに引っかかってしまい、あえなくナダルにゲームを奪われる。
 最後はラブゲームでナダルが優勝した。試合時間は1時間24分。コートに膝をつき両手を挙げる。昨日は涙とともに勝利を味わったナダル、今日はにこやかにファンのサインに応える余裕すらあった。

お楽しみのセレモニー、イタリア語なので今回も何を言ってるんだかサッパリだった。お懐かしやイリ・ナスターゼがプレゼンターとして登場、太っていて驚いた。もうひとり、ニコラ・ピエトランジェリ(1986年に殿堂入り)という往年の名選手(残念ながらよく知らない)が招かれていて、彼がローマで優勝してから50年ということでチョコレートケーキを捧げられていた。
 負けてもニコニコ笑顔を絶やさないゴンザレス、準優勝のプレートをしっかり抱きしめていて可愛かった。ナダルの笑顔も爽やか。でも、昨日の試合を経て、また少し大人びたような気がする。

ナダルはこれでクレー77連勝を達成した。昨年は欠場したハンブルク、今年は出場するのだろうか。間違いなく今年も、ローランギャロス優勝の最有力候補者だから、大事をとって休んでもいいんだけど……。と言いつつ、何度でも見たいナダルの試合。ハンブルク大会は明日開幕だ。
[PR]
by slycat | 2007-05-14 02:20 | テニス

Rome準決勝

F. Gonzalez d. F. Volandri 6-1, 6-2
R. Nadal d. N. Davydenko 7-6(3), 6-7(8), 6-4

第1試合
親不孝な息子が裏番組を見たいというのでライブで見られず。CMになると切り替えるのだが、今回ワイルドカードで出場、王者フェデラー、新進気鋭のベルディヒを敗った地元ボランドリ、ゴンちゃんに遊ばれてる、のかなぁという印象。
 後で録画を見てみると、スコアほど一方的に負けたわけではないようだが、それでもゴンザレス強し。ジゼラ・ドゥルコの応援が効いたのかな。大好きなかたち、ボールに回り込んでの逆クロス、で存分にウイナーを取り、気持ちよく1時間7分で勝利、決勝進出を決めた。

しかしこの日のハイライトは、何と言っても第2試合だった。今までに何度も「死闘」という言葉を安易に使ってきたが、これぞ死闘。やっぱりインパクトのある言葉は慎重に使わなければ、と反省したくらいである。

第2試合
ダビデンコにはウェアのスポンサーがついたようだ。ATPの公式サイトではラケット、シューズとともにPrinceとなっているのだが、シャツの胸にはプーマならぬジャガー?みたいなマークが入っており、Princeではないように思える。ナダルは相変わらずノースリーブのターコイズグリーンのウェアに鉢巻きスタイル、いつも通りだ。

<第1セット>
第1ゲーム、ダビデンコのサーブをナダルがブレイク。クレーコート75連勝中の勇者らしく、落ち着いたプレーで、このまま行っちゃうか、と思ってしまったが、第2ゲームはダビデンコがブレイクバック。最初からわけがわからなくなった。
 第3ゲームはデュース、デュースと続いたもののダビデンコがキープ。ナダルは第4ゲームをキープした後第5ゲームをブレイク、第6ゲームをキープ。そして第7ゲームキープの後、再びダビデンコがナダルのサーブをブレイクして4-4。ところがまた第9ゲームをナダルがブレイク。何なんだ、この試合は。
 第10ゲーム、ナダルのサービング・フォー・セット。しかしここでもナダルは決めることができず、5-5。その後ダビデンコがキープして立場が逆転したが、2度のデュースを凌いでナダルがキープ、タイブレイクとなり、ナダルがセットを獲った。

ナダルのプレーがこれほど危うく見えたのは珍しい、というか初めてかもしれない。ダビデンコは強かった。もともと精神的にも落ち着いた、破綻のないプレーをする選手だと思っているが、厳しい角度でボールを左右に打ち分け、ナダルを振り回してはミスを誘った。体勢を立て直せないナダルが、かろうじてスライスで逃げるシーンが多くみられた。

<第2セット>
第2セットに入っても、お互いすんなりゲームを取らせてもらえない。またもやデュースとブレイクの繰り返し。ここで観客席にいる女性が首からかけているIDカードが光を反射してプレーできない、とダビデンコが主審に告げ、ちょっと試合中断。女性はカードを背中に回す。
 第3〜第5ゲームはお互いにキープ、第6ゲームにダビデンコがダブルフォルトを犯してピンチか、と思ったがここもキープ、第7ゲームのナダルも苦しみつつキープした。
 第8ゲーム、観客席にいた往年の名選手について土屋アナウンサーが語っていると、解説の辻野隆三さんが「そんなこと言ってるうちにビッグポイントが来ましたよ」。エラーが多くなりダビデンコ危うし……ナダルがブレイクした。
 5-3になったので、これでやっぱりナダルが勝つのかな、と何となく安心(?)したのだが、ここからのダビデンコの粘りが驚異的だった。陽は傾くし、試合開始からとっくに2時間は過ぎているし、物凄く疲れているはずなのに、エラーがなくなりショットは正確、しかも強烈。年下のナダルのほうが足が動かず、ボールに追いつけなくなっていく。5-5となり、観客席からはダビデンコ・コールが沸き起こった。
 ナダルにしてみれば、自分だって精一杯頑張っているのに、しかも「ご近所」とも言うべきイタリアなのに、えーどうして僕を応援してくれないの?と思ったのではなかろうか。若い顔は10歳くらい老けて見え、疲労のほどが伺われた。それでも……突然のアウェー状態にもめげず、ブレイクされた後に再びゲームを取り返して6-6。第2セットもタイブレイクに突入した。
 観客はすっかりダビデンコの虜となり、ダビデンコ・コールが続く。それに応えてダビデンコはますます力強くボールを打つ。スペイン国旗を掲げたナダル・ファンが「ラファ、ラファ」と周囲を促すが、声は空しく消えていった……。ダビデンコが第2セットを取る。タイブレイクのスコアは何と10-8だった。

ベンチに戻って栄養補給をするナダル。まさかここまで追い込まれるとは、彼自身予想していなかったのではないか。ここまで1セットも落とさずに勝ち進んで来たのに、こんなところで伏兵に阻まれるとは……。あまりにも安定しているダビデンコを見ていると、ナダルの連勝もこれまでか!?と思ってしまう。

<ファイナル・セット>
第1ゲームはナダルがラブ・ゲームでキープ。セットを落としても崩れない彼が20歳だとは、本当に信じ難い。ラケットを叩き折るタイプの選手ではなく、大声で発散するタイプでもないので、かえって気の毒な気がするが、どうやって気持ちを落ち着けているのか、一度聞いてみたい。
 ダビデンコのほうは表情も変わらず、また見たかぎりにおいてはスタミナ切れの心配もなさそうだ。この人も凄いなー。第5ゲーム、ナダルのドロップショットをボレーで返し、追いついたナダルに返されてもさらに冷静にボレーで返す。ATPテニスショーのplay of the weekに選ばれそう。
 しかし遂に、第9ゲームでナダルがダビデンコのサーブをブレイクした。ナダルのサービング・フォー・マッチ。この期に及んでもなおダビデンコのショットは厳しくナダルに迫るが、ナダルも負けじと打ち返す。走らされるのがダビデンコのほうになってきた。マッチポイント、ナダル渾身のサーブを返したダビデンコのボールがアウト! ナダルが決勝に進出した。3時間39分の熱闘だった。

いつものようにコートに寝転ぶナダル。やれることはやった、という顔でダビデンコがコートを去って行く。ナダルはベンチに戻ると、しばらく顔を両手で覆っていた。泣いていたようだ。珍しいシーンだった。

いやぁ〜それにしても、凄かった。ナダルといえどもいつかは負ける、と思いながら、どこかでいや、ナダルだけは違う、と信じたかった。実際に勝つのを確認するまでは安心できなかったが、終わってみれば、敵にも、そして自分にも絶対に負けない、力や運では説明できない強さをまざまざと見せつけられた。

しかし3時間半も闘ってしまい、1時間しか試合をしていないゴンザレスに勝てるだろうか。今度はそれが心配だ。
[PR]
by slycat | 2007-05-13 18:42 | テニス

通し狂言 絵本太功記〜こってりと盛り沢山

通し狂言『絵本太功記』  於:三宅坂 国立劇場小劇場

爽やかなそよ風が吹く週末、文楽五月公演に出かけた。14年ぶりの通しでの上演らしいのだが残念ながら第一部だけ観る。席は前から6列目、太夫さんたちのすぐ左である。
 今回、初めて「三番叟」を観ることができた。今まで、午後からの部ばかり観ていたため、上演前にこのような踊りが披露されることすら知らなかったのである。友人によれば舞台のお浄めの意味があるということだ。
 詳細はよくわからず、何の人形かもわからないのだが、冠っている帽子が何だかエキゾチック(虎のような縞に赤い丸がついている)。衣装は黒。袖の形から武士などではなく、宮中に関係する人なのかな。後でちゃんと調べよう。
 一人で操作する小さめの人形だが、踊りの際の袖の処理を観ていて、ああ着物の国ならではの動きだ、と思った。

発端 安土城中の段
こういう始まり方を観るのは初めてで、幕が開くと最初から登場人物の人形がでんと控えているのだが、主遣いの人がおらず、人形1体に2人ずつ。太夫さんも姿を見せない。
 泉州妙国寺から植え替えた蘇鉄の木が、毎晩「妙国寺へ帰らん、返せ返せ」とうるさく吠えるので、尾田春長(織田信長)が捕まえてあった僧を引っ立ててさんざん侮辱するのを武智光秀(明智光秀)が諌めると、かえって主の怒りを買い頭をバシバシ叩かれる、というシーン。現代の私たちが見ても「わーこれっていじめ。陰湿!」と思うのだから、この後本能寺の変に至る「発端」としてはなかなか天晴。

最近、ケーブルテレビで毎晩『人形劇 三国志』を見ており、息子とともにはまって原作の「演義」も読み返したのだが、この中でも横暴な主がいると、部下の者が「臣には礼を以てあたれば、臣もまた忠をもって返す」とたしなめる。
 たとえ組織のてっぺんにいる者でも、礼を忘れては人心が離れていくのは昔から世の常、人の常。春長が礼を欠いており、君主にふさわしくない人物であると納得されなければ(人形の頭は明らかに「悪い奴」だから皆すぐ理解するんだろうけれど)、光秀はただの謀反人、不忠の輩になってしまうので、当然だめ押しが続く。

二条城配膳の段
春長の子が朝廷から位を授かることになり、勅使のおもてなし役を光秀と森の蘭丸が務めることになっている。日頃から光秀の忠誠心に疑いを抱く春長にそそのかされた森の蘭丸が、お膳を運んできた十次郎(光秀の子)にいちゃもんをつけ、その上悪口雑言。さすがに怒った光秀を春長がねじ伏せ、そればかりか蘭丸に十次郎の前で光秀を打つように命じる。これも凄く陰湿な感じである。
 蘭丸に扇でさんざん打たれ、冠っていた烏帽子が落ちると、光秀の額には傷ができ、ぬぐう懐紙には血が滲んでいる。それでもじっと耐える健気な光秀を、春長は二条城から追い出す。このむごい仕打ちのお蔭ですっかり光秀の味方になり、次の段へ。

千本通光秀館の段
光秀の館で妻の操が、夫が無事大役を果たせるよう祈っていると、光秀親子が早々に帰ってくる。二条城で起こったことを聞き、家臣の田島頭(金時という頭らしい、顔が真っ赤でど派手な衣装)がいきり立ち蘭丸を討つと言うと、九野豊後守(白い顔、舅というらしい)がこれを止める。
 光秀はあれほどのいじめを受けながらも忠誠心篤く、春長はああいう気性だし、蘭丸は主人の言いつけ通りにしたまで、とただ耐えている。そこへ突然春長からの使者が到着し、中国地方への出陣と領地替えを命じられる。今住んでいる領地からは即刻出て行くように言われ、「委細承知」と答えるものの、さすがに「どうする? 光秀!」という感じ。
 ここで家臣の田島頭が喚き出し、しきりに謀反を勧めるのに対して、豊後守は「反逆謀反の輩が本意を達せし例はなし」と思いとどまらせようとする。沈黙する光秀。
 しばらく沈黙を続けた後、いきなり光秀が豊後守の首を刎ねてしまい、びっくり仰天した。これが「謀反の門出」となるのだが、えー何もそんな殺さなくても、と戸惑う。血気にはやる者の言葉に煽られて正しいこと(後世の人間から見れば)を言っているほうを斬ってしまうとは……。これはやっぱり、いくらお芝居とはいえ謀反を正当化するわけにはいかないから?ですか。

六月二日 本能寺の段
阿野の局、蘭丸とともに酒宴に興じる春長。訪ねてきた孫がおねむになったので春長らが宴をお開きにして去ると、蘭丸と腰元しのぶとが恋人たちのうれし恥ずかし恋のシーンを披露する。繰り返しいじめのシーンを見せられてきた観客にとってもしばし憩いのひととき(?)である。しかし当然のことながら、これは嵐の前の静けさ。夜も更けた頃、突然光秀謀反の報せが入り、寝間着姿の蘭丸、力丸(蘭丸の兄弟)が刀をとって応戦するも、多勢に無勢。女だてらに薙刀で敵を切り伏せ負傷した阿野の局(非常に格好いい)に別れを告げ、春長は覚悟を決める。
 可哀相なのはしのぶで、兄齋藤蔵之助が光秀方についたために自害、臨終の際に蘭丸と夫婦にしてもらったのがせめてもの救いだが、先ほど恋する乙女の可愛らしい姿を見ている者には同情を禁じ得ない。

ここでいったん休憩。天気がよいので劇場の外に出て、ベンチに座りコンビニで調達したおにぎりを頬張る。ふと足下を見ると雀が何羽もやってきて、もの言いた気な顔でこちらを見ている。周りを見渡すと、やはり外で昼食をとろうと出てきた人たちがパンくずなどを与えている。
「雀もランチタイムだって知ってるんだねー」などと友人と話しながら、ご飯粒を投げれば、我れ先にと雀が寄ってくる。国立劇場の隣のビルに巣を作っているらしく、餌をゲットすると巣に飛んでいく。久しぶりに野生の生き物と触れ合った、心和むひとときでありました。

六月五日 局注進の段
六月三日、四日のお話が飛んでいるので、ここからのお話がよくわからない。腹がふくれると眠気が襲い、ますます頭が混乱する。舞台は真柴久吉(羽柴秀吉)の陣に移り、そこへ久吉が攻めている清水長左衛門の使者と名乗る僧と娘が訪ねてくる。娘、玉露は久吉の陣に入り込んでいる浦辺山三郎に会いに来たのだが、山三郎は久吉を討つ気持ちは失せ、自害を決意している。何だかよくわからないうちに話が進み、とにかく久吉というのはなかなかの大人物なんだな、ということだけを理解する。山三郎と玉露は、久吉から書状を受け取り郡家に帰る。
 そこへ阿野の局が光秀の謀反と主君の死を告げに辿り着き、久吉は愕然とするが、ひとまずは混乱を避けて春長の死を秘密にしようとする。

長左衛門切腹の段
春長の死を立ち聞きした僧、安徳寺恵瓊が早速郡氏に報せようとするところ、久吉に呼び止められる。久吉が投げつけた袈裟は、以前自分が「天下を取るであろう」と与えたものだった。
 山三郎からの書状を読んだ長左衛門(吉田文吾さん、さすがにお顔を覚えた)は、味方の助命を条件に切腹。久吉と和議を結んだ援軍郡方の小梅川隆景に子を託し、安心して息を引き取る。

妙心寺の段
光秀が陣を構える妙心寺。光秀の母(吉田文雀さん)は主君を討った息子を許せず、“浅ましき”姿で寺を立ち去る。すかさず光秀が「母人の御行方何処までも見届けよ。御手道具の用意、用意」と宣えば、家来が一斉に箪笥、長持その他もろものを担いで後を追う。行列の最後の者は手桶に飯台(たらい?)まで持っており、ここでドッと観客が大笑い。私はボーッと観ていて笑い損なったが、別に笑ってもいいんだよね?
 母に拒絶され、ひとり主君殺しの罪に悩む光秀は、唐紙に辞世の句を書き残すと切腹をせんとする。「順逆無二門、大道徹心源、五十五年夢、覚来帰一元」。さらさらと文字が書かれるところはお見事。友人が隣から双眼鏡を貸してくれたのでくっきり見えた。
 と、そこへ立ち聞きしていた(またもや……立ち聞きする登場人物が異常に多いね)田島頭が飛び込んで来て、自害なんて馬鹿馬鹿しいと説得する。心の迷いを振り切った光秀は栗毛の馬に跨がり都に向かうのだった。

これからいいところ、なのに途中で席を立つのは無念だが、正直言って第一部だけでどっと疲れた。光秀らの人形が「でか!」と驚く大きさで、その人形がひらりと馬に飛び乗るところなど動きがあって面白かったし、いつにも増して豪華な舞台セット、何人もの人物が入り乱れる複雑な筋書、恋あり、親子の情ありと盛り沢山でお腹がいっぱいである。
 人形の数も多かったが、今回は「東西、と〜ざぁ〜い」の口上を務める黒子さんが交替で3人くらいいらっしゃった(ひとりは太夫さんの名前を告げる際、「噛んで」しまった)のも珍しかった。

劇場の右側に座り、舞台中央を観ようとする位置に、座高の高い男性が座っていて頭が邪魔で困ったのだが、幸い(?)途中で眠ってしまったようで頭を斜めに垂れてくださったので助かった。
 最近の映画館は席1列ごとに段差がついていて、前の人の頭はそれほど気にならなくなっているのだが、ここではほんとに困ってしまう。ひとりの頭が飛び出していると、後ろの人間(つまり私)が頭を左右に振ることになるので、そのまた後ろの人もさぞ迷惑だろう。椅子には深く座って鑑賞したいものだ。

かたや、左隣に座った女性は、人形にはあまり興味がないのか、太夫さんたちを一心に見つめ、三味線に合わせてリズムをとっていた。そういう観方もあるんですか……。ベテランの太夫さんには身を乗り出して拍手するが、若手(?)の方のときは拍手をしなかった。それっていいのかなぁ……。少し疑問が残った。

先日、『摂州合邦辻』をテレビで観て、やっぱり生で観たいもんだなーと思ったので、全体的な感想としては大満足。願わくば、生きてるうちにもう一度通しでちゃんと観てみたい。
[PR]
by slycat | 2007-05-13 14:44 | 文楽

さようなら、栃東

そりゃぁないぜ、という感じの引退表明。「引退」をすっぱ抜いたスポーツ紙の記事に対して、「僕自身ビックリしています」とブログに書いていたのに……。しかしドクター・ストップであれば仕方がない。

月日が経つのは速いものだ。昨年の初場所、角番で登場しながらも優勝を攫い、これでいよいよ横綱か、と期待させてもらった。国技館から優勝パレードに出発する栃東の車を追いかけて、「おめでとう!!!」と叫んだのが昨日のことのよう。

ああ残念だ。夏場所でまた貴方の勇姿を見るのを楽しみにしていたのに……。

地道な人、不屈の人、そして何といっても巧い相撲の人。栃東がいなくなってしまうと、土俵はずいぶん寂しくなってしまうだろう。今は、お疲れさまでした、という言葉しか思いつかない。

栃東関、今まで夢を与えてくれて有難う。真面目な生き様で、私たちを励ましてくれて有難う。どうぞ身体を大切に。
[PR]
by slycat | 2007-05-07 22:33 | 大相撲