ミステリ・テニス・ハムスター・モルモットについてあれこれと……
by slycat
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第164回文楽公演:清十郎さん、おめでとうございます

9月13日(土)、文楽9月公演第1部に行ってきた。だいぶ時間が経ってしまいボケもいいところだが、書いておかないと忘れるので……。

近頃河原の達引
〜四条河原の段〜
今回も最前列の席だった。三宅坂の劇場は字幕が左右にあるのだが、全然見えない。パンフレットに挟まれているミニ床本の文字を追おうとしたが、照明が暗くてこれも無駄。耳を澄ませて語りに集中するしかない。
 「予習」を全然していなかったのでどんなお話なのかもわからない。だが、見るからに悪そうな奴(亀山藩勘定役横渕官左衛門)が出てきて、主人公のひとりらしき井筒屋伝兵衛を待ち伏せの上殺そうとしているらしい。

駕篭がやってくる。もちろん伝兵衛が乗っているので、官左衛門が邪魔をする。伝兵衛は官左衛門が大事な茶入れ(亀山藩の若君が将軍家に献上しようとしている)を持っているので、返してくれるなら何でも堪える、と官左衛門がバシバシ打ち据えるのを我慢する。
 はなから伝兵衛を殺すつもりなのに、面白がって伝兵衛を叩く官左衛門は唖然とするほどイヤな奴で、実にわかりやすい展開である。しかし堪えていた伝兵衛も、官左衛門が茶入れを投げ捨てて砕いてしまうに至って堪忍袋の緒が切れる。官左衛門の刀を奪って逆に斬り殺してしまう伝兵衛。
 伝兵衛の自害を止めたのは、彼に恩のある久八。大事な茶入れが壊れてしまった上に人を殺めたと気も狂わんばかりの伝兵衛を前に、妙に落ち着いている。実は官左衛門が壊した茶入れは偽物で、本物はちゃんと別にあるという。そして罪は自分が被るから、と伝兵衛を逃がす。

〜堀川猿廻しの段〜
実家に帰った遊女おしゅん(伝兵衛の恋人)には盲目の母と猿廻しを生業とする兄がいる。久八が伝兵衛の罪を被ったはずだったが、すでに伝兵衛が官左衛門殺しの犯人であるとバレており、母と兄はおしゅんのことが心配でたまらない。おしゅんも伝兵衛の身を案じながら、母と兄の気持ちが痛いほどわかっている。3人が互いを思いやる気持ちが交差する。
 妹(娘)を助けたい一心で退き状を書けという兄と母。おしゅんは母が盲目であり兄が無筆であることを「利用して」退き状の代わりに遺書を書く。伝兵衛の登場でそれが判明し、妹(娘)の決意が固いことを察して、母と兄はおしゅんと伝兵衛の旅立ちを猿廻しで祝ってやることにする……。

盲目の母のためにおしゅんが煙管に火をつけてやるシーンは、現代であれば「年寄りに煙草を喫わせるの?」と問題視されそうだが、いかにも「プロ」の女性らしく手際がよく、なおかつ母をいたわる気持ちが溢れていて美しい。
 しかしこの段の場をさらうのは、おしゅんの兄、与次郎である。コミカルな仕草で観客を笑わせる一方、妹想いの優しさで泣かせる。妹が退き状を書いたのに安心し、休むように促すシーン、妹にはふかふかの布団に高枕、その上自らの丹前(?)まで掛けてやるが、自分は煎餅布団にくるまって寝る。
 伝兵衛には伝兵衛の事情があるのだが、この母とこの兄を見てしまうと、おしゅんは悪い男に引っかかったものだなぁ、運が悪いなぁと思ってしまうのだった。

五世 豊松清十郎 襲名披露 口上
今回の公演、何と言っても清十郎さんの襲名がメインなのだった。ロビーはいつもにも増して賑やかであり、特別に華やかな雰囲気に溢れていた(住大夫さんの奥様もいらっしゃっていた。ロビーでお顔を見かけたのは初めて)。
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歌舞伎などを見慣れている人たちには珍しくないのだろうが、「襲名」という大事なときに立ち会うのが初めての私には、何もかもが目新しく厳粛に感じた。
 清十郎さんを中心に両側を重鎮が固め、口上が述べられる。清十郎さんご自身はひと言も語らない。文字久大夫さんが「司会」のような役割を務め、住大夫さん、寛治さん、蓑助さん、勘十郎さんが清十郎さんの襲名を祝う。
 「恐悦至極に存じ上げ奉ります」……うわぁ、時代劇みた〜い、などと内心はしゃいでしまった(なぜか寛治さん、勘十郎さんは「普通」の丁寧語だったが)。家に帰って夫に報告したら「襲名なんだから当たり前だろ」と言われてしまったのだが、伝統と格式をベースにしたこの儀式に、いたく感じ入った。大事なことがいろいろとないがしろにされがちな現代において、かたくななまでにルールを重んじる人たちがいること、それ自体が清々しいのだった。いい経験をさせていただいた。

本朝廿四孝
清十郎さんの襲名に合わせた、華やかな演出を楽しめる演目。人形を遣う方々も超豪華なメンバーである。

〜十種香の段〜
長尾謙信の館。中央に花作りの蓑作(実は武田勝頼)を配して、左右に夫の死を悲しむ女2人、という舞台構成が凄い。
 亡くなった許婚の勝頼にそっくり、と蓑作に駆け寄る八重垣姫(謙信の娘)。毎日得姿を拝み、恋しさが募ったというのがいじらしい。最初は人違いと突っぱねていた勝頼も、ついには正体を明かす。しかしこれを盗み見ていた謙信が、勝頼に塩尻に向かうよう命じ、刺客を差し向ける。

〜奥庭狐火の段〜
勝頼に追っ手が迫っていることを何とか伝えたい八重垣姫だが、目の前には諏訪湖。どうすることもできない。諏訪明神所縁の兜を手にすると、狐の霊力が宿る。八重垣姫は狐たちに護られ、勝頼の許へ……。

奥庭狐火の段では、まず狐の人形(縫いぐるみ)を操る清十郎さんが白い衣装(肩衣には狐火の模様)で登場。諏訪明神の兜のところへ消えていくと、早変わりで別の色の衣装を身にまとい(左遣いは勘十郎さん、足遣いは……申し訳ない、お名前がわかりません。たぶん吉田幸助さん)八重垣姫として登場。最後に再び衣装が変わり、狐が4体いっせいに出てきてエンディング。
 なぜか、この狐4匹が出てくるところでバッと涙が出てしまった。恋人を案じる一途な思いが頂点に達した瞬間だからだと思うのだが、何というタイミング。冷静に考えれば縫いぐるみなんだけどなぁ。そんなことは全く思わず、ただただ感動した。

11月の大阪公演でもこの本朝廿四孝が披露される。今回、一番前の席だったために八重垣姫が兜を手に水面に写る姿を見てびっくり、というところが確認できなかったので、次回はもう少し後ろの席だといいなぁと思う(しかし残念ながら席は選べない……)。
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by slycat | 2008-09-24 23:41 | 文楽

子供には見せたくない青春映画

言えない秘密(2007年台湾、原題:不能説的・秘密)
監督・主演・音楽:ジェイ・チョウ、脚本:ジェイ・チョウ、トー・チーロン、撮影:リー・ピンビン

先日観た『カンフーダンク!』で主演を演じた台湾のスター、ジェイ・チョウの初監督作品である。『戯夢人生』『花様年華』の撮影を手がけた名カメラマン、リー・ピンビンをはじめスタッフが皆超一流、ということを差し引いても素晴らしい瑞々しさで、ジェイの底知れない才能には驚かされてばっかりだ。

ジェイ・チョウ演じるシャンルンが淡江音楽学校に転校してきた日から、この映画は始まる。古い校舎を探索中、シャンルンは一人のミステリアスな少女(シャオユー=グン・ルンメイ)に出会い、ひと目で恋に落ちる。映画の前半では、2人の高校生らしい、幼い恋が可愛らしく描かれており、自分の子にもこういう恋をして欲しいと思わせる。

後ろの席にいる少女のほうを盗み見ては先生に注意される場面。少女を自転車の後ろに乗せて家まで送っていくひととき。誰もが一度は経験したことのある甘酸っぱい日々が生き生きと描かれる。初恋の舞台となる台湾最北部・淡水鎮の景色も非常に美しい。
 またピアノの音色をたっぷりと堪能できるのもこの映画の大きな魅力である。「ピアノ王子」と呼ばれる生徒とシャンルンの“ピアノ・バトル”、シャンルンとシャオユーの連弾。2人が学校帰りに立ち寄るCDショップのレトロな雰囲気もとてもいい。音楽学校の生徒らしく、彼らの日常は音楽に溢れている。

しかし映画が進むに従い、シャオユーが抱える「秘密」がただならないものであることが薄々わかってきて、秘密の重みが徐々に観客を圧倒する。そして映画の最後、ピアノのテンポとともに、物語も加速していき、思いがけない結末を迎えることになる。

卒業式の日、誰もいない教室で、シャオユーにメッセージを伝えようとする場面でドッと涙が溢れた。ふだんは淡々として寡黙なシャンルンが、愛する少女のために何もかも捨てる、その凄まじい勢い。10代の恋は恐ろしい。
 「頑張れ!」と言いたいのに、一方では「もう諦めてくれ……」と思ってしまうのは私も子をもつ親であるからだろう。子供のいない人は、すんなりとシャンルンの気持ちに同化でき、違った印象をもてるのかもしれない。

世の親にとっては非常に残酷な映画である。傑作であることは間違いない、だけど自分の息子には見せたくない。
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by slycat | 2008-09-15 18:51 | 映画

いいニュースと悪いニュース

フェデラー5連覇
US OPEN 2008、勝者はロジャー・フェデラーとなった。ハリケーン・ハンナのために試合が順延になり、決勝について感想を記しておきたかったが、あまりにも日が経ち過ぎてしまったのでちょっとだけ。

アンディ・マレーにも勝って欲しいなと思っていたが、まぁ来年以後、いくらでもチャンスはあるでしょ(少し攻めに入るのが遅かったかな……)。病気のために調子を崩していたフェデラーが堂々たる王者ぶりを見せてくれたことが、単純に嬉しい。今年はいろいろとガッカリすることが多かったのに、あの精神力。やはり彼はただ者ではない。今後、残りのシーズンで再び存在感を示して欲しい。ほかの選手だって“弱くなった”フェデラーを倒したとしても、面白くないと思う。
 女子のほうはセレナ・ウイリアムズが優勝したがやっぱりなぁという感想で、エナンがいなくなっても全然下克上が起こらないのは物足りない。何より「私は遅かれ早かれNo. 1になるんだから」と言い放ち、優勝だけを狙っていたセレナの闘志、あれを見習って欲しいなぁ……。

大相撲〜罪を憎んで人を憎まず〜
グランドスラムの結果が出てランキングが入れ替わり一段落したところで、気になるのが日本の大相撲。間もなく秋場所が開催されることになっているというのに、大麻問題で理事長が辞任するの、解雇者が出るのと落ち着かない。

最初に若ノ鵬の大麻所持が発覚した時点では、「これは怪しからん! だから変化ばっかりしていたのか!」と憤ったのだったが、時間が経つにつれだんだん彼が可哀相になり、許して社会奉仕か何かさせることによって力士に復帰させてやってもよいのではないかと思うようになってしまった。
 ワイドショーやニュース番組に出てくるコメンテーターたちが、まるで神のごとくバッサリと彼を断罪するのが気に入らないし、外国から日本に夢と希望をもってやってきた(あるいは連れてきた)若い人たちに対して、更生するチャンスも与えず斬り捨てるだけというのはあまりにも封建的に思える。
 海外の相撲ファンが参加できるフォーラムに行ってみると、後輩に暴力を振るって書類送検になった力士は辞めさせないのにどうして? 日本では暴力は許されるの?などと書き込まれていた。確かに……。
 日本は道を踏み外した者を立ち直らせる努力もせずにクビにするのが当たり前の国、と思われるのも悔しい。相撲協会の理事・親方たちには映画『男たちの挽歌』に出てくるタクシー会社の社長(ケネス・ツァンが演じた)みたいに、カタギになろうとする者には手を差し伸べる鷹揚さをもっていて欲しいんだけど……。

露鵬と白露山については、やったかやらないかがよくわからないので何とも言えないが、ヒンギスがドーピングを疑われ引退してしまった件を残念に思っているので、これにも甘い(と言われそうな)見方をしたくなる。
 コメンテーターたちはしきりとオリンピックのメダル剥奪の例を挙げて解雇は当然、と言うのだが、無収入の辛い時期を乗り越えた者を再び迎えるスポーツもある。プエルタはちょっと困るけれど、カニャスはちゃんと出場停止のオツトメを果たして現役復帰したし……。まぁ私ごときがやきもきしてもどうしようもないのだが。

ちなみに今は規約が変わっているようだが、大昔はいったん解雇された力士が復帰することがあったそうだ。「復帰した力士っているの?」と息子に振ったら「清水川とか」と答えた。後で調べたら戦前の大関だったが、こういうのがすぐに出てくるところが感心というか、憎たらしいというか(聞くほうが悪いのか)。高校生なんだから英単語や公式を覚えるほうに熱中してもらいたい。

プーその後
さて、この夏も非常に暑かったが、我が家のハムスター、モルモット、ウサギたちは全員元気に乗り切ることができた。モルモットのプーは毎月1回の健診を続けているが、先週の土曜日に診てもらったところ、体重は920グラムにまで増えていた。実に喜ばしい。通院にもすっかり慣れて余裕の構えである。
 最近はだいぶ図々しさが加わってきた。食事時間でもないのにお腹が空けば鳴き、仕方ないなとおやつをやれば足りないと鳴き、これで最後とまた与えると、飽きたから別の野菜が欲しいと鳴く。休みの日でものんびりしていられない(人間の気配があると騒ぐからである)。ハムスターは黙ってガリガリとケージを齧るのが催促のスタイルであるが、しばらくアピールして何も貰えなければ案外あっさり引き下がって寝る。プーはふだんおとなしい割には粘り強く鳴き続けるので閉口する。

それでも元気なのが一番。秋になったらまた注射しなければならないので、今のうちに体力をつけておこうね、プー。
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by slycat | 2008-09-12 20:34 | 日常のこと

US OPEN準決勝:第2試合

A. Murray d. R. Nadal 6-2, 7-6(5), 4-6, 6-4

男子準決勝に進んだ4人は世界ランキングNo. 1~4。何しろNo. 1~3の強さが半端じゃないので、次の席に誰が座るかの争いは大変なものだが、このところグングン頭角を現してきていたスコットランドのアンディ・マレーがNo. 4の座を占めることになった。
 とうとうマレーが……。かつてのコーチ、ギルバート氏も喜んでいるだろう。以前はせっかくいいところまで行きながら試合途中でキレてしまったり、足の怪我が気になって「早くやめたいなぁ」なんて顔をしたりと自滅気味だったのだが、ウィンブルドンでは見違えるようなプレーを見せ、イギリス国民の過剰な期待すら味方につけ、プレッシャーに負けない精神力を見せつけた。そしてシンシナティでは初のマスターズ・シリーズ優勝。ついに才能が全開しつつある。

ナダルは全仏、全英、オリンピックと優勝を続け、この全米オープンを制すれば歴史に残る偉業となるはずだった。しかし、さすがに疲労の色は隠せない。強いから勝ち進むのだが、勝ち進めば試合数が増え、体力を消耗する。トップ選手は対戦相手とだけでなく、常にこの矛盾と戦っていかなければならない。何たる厳しさ。しかも試合を夜に組まれてしまい、昼夜のリズムが狂う。体調を万全に保つのは容易ではなかったはずである。

熱帯高気圧に変わったハリケーン・ハンナの影響で、いつ雨が降り出してもおかしくないという天候の中、急遽コートをルイ・アームストロング・スタジアムに移して試合は始まった。
 ふだんならナダルこそが長いラリーの中から試合を有利にもっていくのだが、この日のマレーはじっくり腰を据えてかかり、逆に試合の流れを自分のほうに引きつけていった。第3ゲーム、早々にマレーがブレイクする。
 マレーは非常にリラックスしている印象で、決してガンガン叩いていったわけではないが、いいところで緩急をつけ、時にサーブアンドボレーを見せるなど実に落ち着いていた。丸々1セット使って相手の出方を窺っているかのよう。ナダルのサーブの際にやたらと後ろに下がっていたのには驚いたが、その辺の理由は素人にはよくわからない。対ナダル研究の結果なのだろう。
 ナダルのボールはどんどん浅くなっていく。パスも決まらない。ナダルに一度もブレイクチャンスが来ないまま、33分でマレーが第1セットを取った。

第2セットに入ると、ナダルも気持ちを切り替えたかキッチリとキープ。マレーのほうは変わらず淡々としているが、サーブがとてもいい。ワイドに、センターにといいコースを突いていく。キックサーブも大きな武器だ。
 ナダルが切り返しのタイミングを早めて攻め始め、ボールを左右に振るのに合わせ、マレーも高い打点からボールを叩き込むようになる。第4ゲームに入るとサーブアンドボレーの回数も増やしていった。こういうプレーを見ると、かつてのラフターやヘンマンが思い起こされて何だか嬉しい。
 ナダルのほうもワイドに切れるサーブでマレーをコートから追い出すなど、自分から活路を見出していくが、徐々にマレーが勝負のきっかけを作り始め、ドロップショットで誘ったり、ネットに出たり、ペースを上げたりと、さまざまなスタイルで攻めていった。ナダルはむしろ防戦体勢になった。
 そして第11ゲーム、マレーがさらに攻めを加速させる。バックハンドの鋭さ、速さ。フォアの打点の高さ。じわじわとナダルを追い詰める。時折映るトニおじさんの顔色も冴えない。しかしナダルはピンチを切り抜けた。やっぱりNo. 1にふさわしい。
 続く第12ゲームをマレーが素晴らしいサーブでキープし、タイブレイクに。ここでもマレーが先に先にとポイントを取る。3-2のときに初めてのダブルフォルトをやらかしたが、マレーは動じなかった。5-4とようやくナダルがリードして打ったボールがネットに嫌われ5-5となると、むしろナダルのほうが苛々とした表情を見せた。珍しい場面である。6-5としてさらに自分に喝を入れるマレー、ナダルのボールがアウトとなり第2セットもマレーが取った。拳を振ってマレーが大声を出す。

第3セット。2セットアップで気が緩んだか、マレーにミスが続きいきなりナダルがブレイク。このセットを落としたらもう後がないのだから、ナダルもうかうかとはしていられない。自分を励ましつつ、集中する。
 しかしナダルがウィナーを決めると、すかさずマレーがいいショットでお返しする。さらにはサービスエースで再び流れを自分のほうへもっていく。
 第5ゲームはまたダブルフォルトで始まったが、焦りは見せないマレー。ナダルのミスで30-30に追いつくと、サービスエース2本でキープした。

ここで雨。どちらの選手にとって吉と出るのか、全くわからない状況のまま、試合は大会第14日に延期となった。

舞台はアーサー・アッシュ・スタジアムへ。第3セット第6ゲームからの試合再開となる。前日は勢いがナダルに行きかけたかと思われた時点での中断となったので心配だったが、意外とさばさばとした感じでナダルがポイントを重ね、ラブゲームで第6ゲームをキープした。
 対するマレーは、前日のゆったりした立ち上がりとは全く異なる始め方で、早いタイミングでボールを叩いていき、こちらもラブゲームでキープ。ピリッとしたいい雰囲気である。

第8、第9ゲームもお互いにキープ。前日に第1ゲームをブレイクしていたため、マレーがデュースまでもっていきブレイクチャンスを握ったものの、第10ゲームをキープしてナダルが第3セットを取った。

第4セット、1つダブルフォルトがあったが、まずはマレーがキープ。第2ゲーム、少しは体調もよくなったかと思ったナダルだったが、いきなりブレイクのピンチに。デュース、デュースと続く。前日の第1セットとはうって変わったペースの速いラリー。2人ともギアを上げている。マレーにはブレイクチャンスが7回あったが、ナダルが堪えてキープした。

第3ゲーム、マレーも疲れたのかナダルがブレイク。第4ゲームはナダルのダブルフォルトで始まったがかろうじてキープ。以前だったらこの辺でやる気をなくしていたかもしれないマレーだが、今年の彼は別人のように我慢強かった。変われば変わるもんだなぁと思う。第6ゲーム、ナダルのボレーミス、逆クロスのアウトでマレーがブレイクバックし、第7ゲームはラブゲームでキープした。第8ゲームにもナダルにピンチが訪れたが、ここも踏ん張ってキープ。試合の行方はさっぱりわからなくなった。

しかしマレーの5-4で迎えた最終ゲーム。コードボールがうまく入ってマレーのポイントに。ナダルの30-15で、ナダルのボールがコードに当たると、マレーがネットに走り、ナダルの横を抜くショットでマレーが30-30に。ナダルはツキにも見放されたのだろうか。そしてデュース、長いラリーを制したのはマレー。観客席ではヴァージンのブランソン氏に見える男性が拍手を送っている(たぶん本人だろう、カメラが映していたんだから)。

マレーのマッチポイント。くたびれ果てたのだろうか、ナダルが「このタイミングで?」と驚くドロップショットを放つと、マレーがすかさずパスでナダルの右を抜いた。マレー勝利。ナダルがすぐにマレーに握手を求める。2人で相手の肩を抱き、胸を叩いてお互いを讃え合った。非常にいい光景だった。

ナダルは負けても立派だった。観客の声援に応え、マレーに拍手を送り、ファンのサインにも応えてコートを去っていった。
 そしてマレーも立派だった。以前のような子供っぽさが消え失せ、危ない場面でもキレることなく、サーブを含め自分の力でチャンスを切り開いていった。本国イギリスは今頃熱狂の渦だろう、そして来年のウィンブルドンではさらにマレーへの期待がエスカレートするだろう。

マレーにとっては初めての、片やフェデラーにとっては何度も経験してきたグランドスラム決勝はもうすぐ始まる。どちらが勝っても偉大な歴史の1ページとなるこの試合、一体どうなることやら……。胸のドキドキは収まりそうにない。
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by slycat | 2008-09-09 05:06 | テニス

US OPEN準決勝:第1試合

R. Federer d. N. Djokovic 6-3, 5-7, 7-5, 6-2

フェデラーは相変わらず強い。強いのだが何となく不安だ。シーズン開始直後に患ったウイルス性疾患によるダメージがずるずると続いているような気がする。
 何年間も他を圧倒してきたのだから、不調の時期が少々あってもおかしくないのだが、ほんのちょっとリズムが狂い出すと「フェデラー時代の終焉」などと言われる。当人にしてみれば本当に迷惑な話だろう。
 だがNo. 1の座をナダルに奪われ、今年は1つもグランドスラム・タイトルを手にしていない。彼のプレーに納得していないのは、彼自身であるに違いない。US OPENの5連覇に向けて、何が何でも勝とうと決意しているはずである。その決意は今大会、試合のたびに吠えまくって自らを鼓舞する態度に現れていたと思う。

そんなわけでこの試合、フェデラーが勝つんじゃないかと予想していた。ジョコビッチは決して体調万全ではなさそうだし(何となく目が腫れぼったかった)、メディカル・タイムアウトを頻繁にとって休んでいるなどと言われたり、ロディックがその件について冗談を叩いたことに過剰反応したりと、精神面でも揺らぎがあった。勝ちに対してハングリーであるという意味で、戦う前からフェデラーのほうにちょっぴり分があったように思う。

第1セットは、いつも立ち上がりの悪い印象のあるフェデラーが、最初からいいサーブを生かしてあっさり先取。相手が強敵ジョコビッチだという認識からか、この試合ではウィナーの1つひとつに吠えることもせず、集中することを心がけていたようだ。第2セットに入ると、ジョコビッチも負けてはならじと攻めていく。フェデラーもダブルファースト(サーブ)を見せて強気の応戦。

しかしこのセット、ファーストサーブの入りが悪くなってきた。バックハンドのボールがアウト。第4ゲームでジョコビッチがブレイクする。しかし第7ゲームではちょっと浅くなったボールをフェデラーがすかさずバックハンドで捉えてダウン・ザ・ライン。次のジョコビッチの逆クロスがネットにかかってフェデラーがブレイクバックする。

これで少々がっかりしたんじゃないかと思ったが、さすがにジョコビッチ。次のゲームをフェデラーがキープ、第11ゲームではダブルフォルトをしてしまったものの、キッチリと正確なショットを打ってフェデラーを走らせ、ミスを誘って6-5にした(このとき、ジョコビッチのスマッシュを、結果的にはアウトになったけれどもフェデラーがジャンプして“スマッシュ返し”をしたのが面白かった)。この後ミスが増えたフェデラー、ジョコビッチが第2セットを取る。

第3セットはお互いにキープを続けた。どちらかが何かを仕掛ける様子もなく、不気味なほど静か(うるさいのは飛行機の音ばかり)。試合が動いたのは第11ゲーム。サーブのとき観客から声がかかり、いったん手を止めたジョコビッチ。次のトスのときには飛行機が上空を通り過ぎた。これでリズムが狂ったか、ジョコビッチのボールがネット。フェデラーにブレイクチャンスが来た。
 ジョコビッチのサーブをフェデラーがスライスで返す。ジョコビッチがフォアのクロスで打ち返す。フェデラーがクロスで返し、ジョコビッチがフェデラーのバックサイドに打ったボールがコードにぶつかり、ほんの少し間ができた。フェデラーのバックハンド、打ち返したボールがジョコビッチの足許に……ジョコビッチのボールはアウト。フェデラーがブレイクした。
 フェデラーのサービング・フォー・ザ・セット。最初のポイントはジョコビッチのスマッシュをフェデラーがジョコビッチの頭上を越えるスピンボールで返して観客を沸かせた。フェデラーも片手を高々と上げる。ジョコビッチはリターンエースを決めるなど意地を見せたが、フェデラーが第3セットを取った。

フェデラーはここでいったんバスルーム・ブレイクを取った。気持ちも新たに迎えた第4セットはいきなりブレイクしそうな勢いで、第2ゲームはラブゲームでキープ。第3ゲームはジョコビッチもキープできたものの、第5ゲームをブレイクされてしまう。フェデラーのサーブはこのセットでも冴えていた。何とエースが20本。そして第7ゲームもフェデラーがブレイクする。
 最後のゲーム。フェデラーにラブゲームでやってきたマッチポイント。センターに打ったサーブをジョコビッチが返すと、フェデラーのフォアのストレートで試合は決まった。ここで初めてフェデラーがYeah!と叫ぶ。5年連続で決勝進出、やはり王者は王者だった。

2人とも、かなり疲労の色が濃かったと思う。通常のスケジュールでもキチキチなのに、今年は北京オリンピックに出場。2人ともメダルを獲得したからよかったものの、シーズン最後のグランドスラムにはもう少し余裕をもって臨みたかっただろう。
 それでもこうやって2週目を勝ち進んでくるのだから、頭が下がる。本当に凄いぞ、この人たちは。

ハリケーン・ハンナのために延期となった決勝が、あと数時間で始まる。フェデラーの対戦相手は、スコットランドのアンディ・マレーに決まった。ずっと応援してきたマレーがいよいよ大舞台の決勝に……。非常に嬉しいが、フェデラーの完全復活も見てみたい……。
 ファンの期待をよそに、当人たちはどんな思いで試合開始を待っているのだろうか。お互い悔いのない試合をしてもらいたいものである。
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by slycat | 2008-09-09 02:15 | テニス

錦織君、有難う

US OPEN TENNIS 2008 4th Round
Juan Martin Del Potro d. Kei Nishikori 6-3, 6-4, 6-3

昨日の朝はドキドキしながら起きた。スペインのダビド・フェレールを破ってUS OPENのベスト16に残った錦織選手と、このところ絶好調のデルポトロ(アルゼンチン)のティーンエイジャー対決。この大事な試合を急遽WOWOWで放送することになっていたからである。とは言っても8時には家を出なければならないので録画予約し、後ろ髪を引かれる思いで出勤した。

残念なことに、錦織はストレートでデルポトロに負けてしまった。ちょっとお疲れ気味のNo. 4よりも、連勝中で上り坂の19歳を相手にするほうがキツいだろうなぁとは思っていたのだが。う〜ん悔しい。1stサーブの確率もエラーの数も、そんなに変わりはなかったのに……。
 しかし日本人選手として71年ぶりにUS OPENの4回戦まで進んだ、この事実は大きい。何より、ふだんは(サッカーWCだのWBCだの、そんなに夢中になれない)“非国民”の私まで興奮させるほど、錦織君のプレーは魅力的だった。
 彼は178 cmで日本人としてはそれほど背が低いわけではないものの、外国の選手と比べるとやはり小さく見える。顔もまだあどけなく、身体は大人になり切っていない感じだ。にもかかわらず、繰り出すフォアの力強いこと。ボールのコースも素晴らしい。

年とともにワクワクすることが少なくなってきた毎日。しかし錦織君のおかげで夢を見ることができた。今後の活躍が楽しみである。18歳でいきなりここまでの成績を出してしまった才能は凄いものだが、焦らずあと2年くらいかけて体力をつけ、ゆっくり経験を積めばよいと思う。じっくり見守っていきたい。

しかし18歳の少年が偉業を成し遂げている間に、一国の首相が「だって誰も僕の言う通りにしてくれないんだもん」と言って辞任しており、国技といわれる相撲でまたもや大麻問題が発生していた。大人たちのだらしないこと、ホントに情けない。放っておけばいくらでもこんなことが出てくるのだろう、この国は。

だからこそ、錦織君に感謝したい。ベスト16、おめでとう。そして夢を与えてくれて有難う。
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by slycat | 2008-09-03 10:19 | テニス