ミステリ・テニス・ハムスター・モルモットについてあれこれと……
by slycat
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ローマは1日にしてならず

Masters 1000, Internazionali BNL D'Italia
Semi-Final R. Nadal d. E. Gulbis 6-4, 3-6, 6-4

久しぶりにわくわくさせてもらった。クレーシーズンといえばナダルの活躍を観るのを楽しみにしているのだが、復活ナダルをここまで揺さぶる選手が出てくるとは。それがまた21歳の坊やで、ラトヴィア出身だとは。すでにテニス好きには常識となっていることと思うが、彼は大物だ。天才と言ってしまおう。

グルビスはとても魅力のある人だ。昨年の楽天オープンで、しっかり生の試合を観せてもらったのは実にラッキー。可愛いだけじゃない。サフィンが引退してしまい、仕事も忙しいし少々だるい感じになっていたのだが気持ちがシャキッと目覚めた。次は彼だな、と勝手に思うことにする。

昨年の楽天オープンでは1セット先取しながらツォンガにしてやられた。それでもスピード感のある面白い試合だったという印象が残っている(その次のモンフィス対バブリンカが少々たるい試合だったので、余計に印象が強い)。今回のローマ大会ではフェデラーを破ったということで、彼の「危険性」に注目が集まったことと思うが、1セット先に取られておきながら、2セット目からの巻き返しで勝利を摑んだ。

今回も、先に楽々とナダルがセットを取ったので、あぁやっぱりクレーキングには彼の力は通用しないのかと思ってしまったのだが、それでも目が離せず眠いのを我慢して観続けた。寝なくて本当によかった。だって、ここからがグルビスの本領発揮だったんだから。

サーブがとてもよかった。1stサーブでのポイント獲得率は3セット通じて70%を超えていた。軽く210キロを打っちゃうんだから、さすがのナダルも苦しんだ。ウイナーの数も38本とかで(エラーも多かったけど)、これで2ndサーブでも点数を取れれば、向かうところ敵無しとなるだろう(もちろん、そう簡単にはいかない)。
 1セット目では何だか投げやりに見えた返球も徐々に集中力を増し、正確に厳しいところにボールが入るようになっていった。フォームなんか無茶苦茶だし、リーチに頼ってるんじゃないの、と思うこともあったのだが、何だかサフィンを思い出してしまう。くるくるカールのヘアスタイルのせいかもしれないし、サフィンの元コーチが観客席にいるので映像に洗脳されたのかもしれないが、グルビスを見ていると、何も考えずボールにだけ集中していたときのサフィンを見ているみたいで、本当にドキドキした。
 実際、ナダルだって凄く苦しんだに違いない。久々に派手なガッツポーズを繰り出していた。勝ちを決めたときのジャンプなんか何ヵ月も見ていないと思う。

残念ながら、最後の最後で力尽きてしまい、終わってみれば「やっぱりナダルだよねぇ〜」という結果になってしまったのだが、ギリギリまでグルビスのマスターズ1000初優勝か、と夢を見た。テニスが面白いことになってきた。あんまりランクが上がると、もう二度と日本には来てくれなくなるかもしれないが、彼がトップ10選手になったら、すかさず「生でグルビス見たことあるよ〜」と自慢したいものだ。

このところ外に出れば左右違う靴を履いていたり、アイロンをかければ火傷し、食事をすれば鞄や傘を店に忘れてしまったりと心身ともにボロボロ状態。連休でリセットしなくちゃと思っていたところにこんな素晴らしい試合を観ることができて、ナダルとグルビスには感謝、感謝である。次の対戦も大いに期待しよう。
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by slycat | 2010-05-02 15:13 | テニス

Paris 2008決勝

J-W. Tsonga d. D. Nalbandian 6-3, 4-6, 6-4

今年の全豪オープンでファイナリストとなり、テニス界を沸かせたツォンガが、ついにマスターズ・シリーズで初優勝。マスターズ・カップ行きのチケットも手にして有終の美を飾った。あぁ〜しかしナルバンディアンのファンとしてはガッカリな結果。彼が優勝していれば、上海に行くのは彼のはずだったのに……。大体スパートかけるのが遅すぎる。もっと早めにポイントを稼いでおけば、あるいは……悔しいけれど、結果は結果である。

QFのマレー戦はかなりよかったと思う。あの体型からは予想もつかないフットワークで、しつこく粘り強くマレーのボールを打ち返し、根負けさせた。準決勝では立ち上がりの悪かったダビデンコを早めに攻めていき、第2セットは取り返されたものの、気落ちせず勝利を摑んだ。試合が進むにつれミスが増えていくのが気になったので、ツォンガが決勝の相手に決まったとき、これは力負けするのではないかと心配していたのだが……。

第1セット、ツォンガの素晴らしいサーブはナルバンディアンをまるで寄せ付けなかった。しかもただ単に力で押すだけではなく、アングルで押し、「読み」で押し、さっさとセットを持っていってしまった。これはもう駄目だ、そう思って試合を見続ける気が失せ、ふて寝していたら、「第2セットはナルちゃんが取ったよ、ギリギリのところだったけど」と家の者の声。しかし恐ろしくて観戦を再開する気にならず、翌朝録画を見ることにしてそのまま寝てしまった。

そして今日、第3セットを観たのだけれど……。あぁ、あそこでボールがネットに引っかからなければ、あそこでクロスじゃなくストレートに打っていれば、とにかくファーストサーブがもう少し入っていれば……。完全なアウェイ状態でよくぞ我慢したとは思うけれど、逆にあれほど観客に声援を送られてもプレッシャーに負けなかったツォンガの素晴らしさが印象に残った。

そんなことを思いつつも、ナルちゃんのプレーは決して悪くはなかった。昨年のマドリッド、パリでの彼はゾーンに入っており、奇跡的なプレーの連続だったので、それに比べてしまえば今年は少々物足りない。しかし豊富な技、多彩な球種はツォンガを苦しめたはずだ。そして今年はボレーがとてもよかった。ナルちゃんが20代半ばになってもまだ進化を続けていることを確信した。

それにしてもツォンガ、怪我がなければもっともっとランキングも上がっていただろうに。一瞬でボールを読み反応していくセンスは抜群だ。サーブも凄いけれど、リターンの鮮やかさに感服した。

今年のマスターズ・カップにはマレー、デルポトロ、そしてツォンガという「新顔」がメンバーに入り、彼らが1年の最後にどんな戦い方を見せるのか、否が応でも期待が高まる。トップ3はかなり疲れているようなので、終盤になってから伸びてきたこの3人、ひょっとしたらひょっとするのではないだろうか。

いまだにナルちゃんが上海のメンバーに入れなかったことが諦め切れないが、とにかく彼が今年の目標として掲げたのは「最初のグランドスラム・タイトル、オリンピックのメダル、デ杯優勝」であり、そのうち2つはすでに夢を絶たれてしまったのだから、最後の1つくらいはもぎ取ってもらいたい。決勝の相手は強豪スペインだから油断はできないが、デルポトロもいるし、デ杯HP上の一般投票でも7割の人がアルゼンチン有利と見ている。ぜひ目標を達成して欲しい。頑張れアルゼンチン!
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by slycat | 2008-11-03 12:25 | テニス

ハンブルク決勝

R. Nadal d. R. Federer 7-5, 6-7, 6-3

モンテカルロでも対戦しているのだが、何だか久しぶりな気がするトップ2対決。前日のナダル対ジョコビッチ戦があまりにも素晴らしかったので、あれ以上の試合があるんだろうか、と思ったが、上には上があるもので。準決勝に負けず劣らず凄い試合となった。テニスは奥深い。

<第1セット>
予想通りというか、今日もいきなりフェデラーにブレイクされて0-3。昨日引いておいた線をなぞるような展開でいやだなぁと思っていると、4ゲーム目をキープ。ジョコビッチも強いが、相手がフェデラーなので、前日と同じように追いつけるかどうか保証はない。いやな感じは続き、みるみるうちに1-5となりフェデラーのサービング・フォー・セットとなってしまったが、ここで踏ん張るナダル、フェデラーのミスにも救われたかたちでブレイク、2-5となった。

しかし、ナダルがトレーナーを呼ぶ。右の腿か脚の付け根辺りに痛みがあるらしい。トレーナーが「ここ?」という感じで触ると、一瞬飛び上がるほど痛かったようだ。涙が出てしまったのか、目の辺りを拭う。せっかくここまできたのに、まさか棄権……。

でもナダルはコートへ戻った。表情は冴えないが、集中力は切れていない。デュースに持ち込まれたものの、しっかりキープする。
 再びフェデラーのサービング・フォー・セット。2人とも丁寧に打っていく。ナダルのバックハンドが結構よさそうだ。スピードと角度がついている。スライスも交えながらチャンスを窺い、逆クロス。痛みが去ったわけではなさそうだが、ナダルがブレイクした。大したものだなぁと感心する。続く第10ゲームもキープした。前日のように湯気が出るほどの熱闘、という印象は全然ないのだが、じわじわとナダルがフェデラーを苦しめ始めた。

ほんの15分前までは、フェデラーがあっさり第1セットを取るのかと思っていたのに、気がつけば5-5。王者フェデラーに「苦手意識」なんてものがあるのだろうか(解説の辻野さんがおんなじことを言った。明らかに変だよねぇ)。不思議でたまらないのだが、ラリーで根負けするのはフェデラーのほうなのだ。本人も頭に来るらしく、「Nein!」と叫んだ(こういうときはドイツ語なんだ)。ナダルがブレイクして6-5。
 一流のアスリートは、どこかに故障や痛みがあるほうが知的にプレーできるのかもしれない。非常に冷静なプレーを続け、何とナダルが第1セットを取った。思いもよらない展開に、狐につままれたような気持ちになる。

<第2セット>
フェデラー、まだ具合が悪いのだろうか(右のほっぺの痣も気になる)。昨日のジョコビッチのほうが、もっと勝ちそうな雰囲気をもっていた。打っても打っても返してくる相手に、次第に苛々させられ調子を狂わされるのだろうか。

お互いにブレイクし合って1-1。ネットに出ていくと、さすがにボレーではフェデラーに安定感があるが、まだしっくり行っていない感じがする。それでもそう簡単に負けるわけがない。フェデラーがサービスキープ。
 その後のフェデラーは顔色こそすっきりしないものの、確実なサーブやスーパーショットでナダルを苦しめ、再び4-1とリードを奪っていく。それでも笑顔ひとつ見せるでなく、険しい表情のまま。ナダルがキープして4-2。
 フェデラーのサービスゲーム。デュースになったが、ナダルのリターンがアウト。きっちりといいサーブを放って、フェデラーがキープ。5-2までナダルを追い詰めた。
 ナダルのサーブ。バックハンドのボールがネットにかかったりとらしくないミスがあったものの、セカンドサーブをエースに決めたり、落ち着いてキープすることができた。
 続いてフェデラーのサービスエース。しかしナダルにミスを誘われ、続けてボールが大きくアウト。ナダルのブレイクチャンス。ここをフェデラーが渾身のフォアで凌ぎ、続いても厳しいボールでデュースに。だが結局ナダルにもっていかれてしまった。5-4。そしてナダルが再びキープ、またもや5-5となった。

フェデラーのサービスゲーム。0-40まで追い詰められたフェデラーの逆襲が見事だった。さすがに今度は第1セットの繰り返しはしない。フェデラーがキープ。
 ナダルにダブルフォルトが出て冷や冷やさせられる。しかしナダルはいささかも動じず。むしろ球にキレが出てきたかもしれない。ついにタイブレイクに突入した。

ナダルの逆クロスが面白いようにコーナーに決まる。何なんだろう、この落ち着きは。しかしフェデラーのドロップショット、ナダルの返球がアウト。続いてフェデラーが見事なフォアで2ポイント奪取。ナダルが速いサーブ、ネットに出ながら打ったボールがアウト。悔しそうな顔のナダル。次はフェデラーの浅いスライスを受け損なってネット。フェデラーの5-2となる。
 ナダルのきれいなパッシングで5-3。フェデラーがドロップショットで6-3、最後はフェデラーがダウン・ザ・ラインで決めて第2セットを取る。またまたファイナルセットにもつれた。うーん、やっぱりすんなりとはいかないのだ。

<第3セット>
ナダルのサーブで始まる。ナダルがネットプレーを見せる。戦術を変えたか?と思ったが、同じことを続けるわけではなかった。ここでもフェデラーに悔しいミス。ネットに額をゴッツンコする珍しい場面が見られた。何だか今日のフェデラー、顔つきこそ険しいものの、まるでコメディアンがやるような「がっくり」ポーズを見せたりして、妙に可愛らしいことをする。試合の最中にふざけているわけではないので、ひょっとしたら元々こういうキャラクターなのかも。

フェデラーのサービスゲームでは、厳しいボールをナダルのバックハンドサイドに集めて難なくキープ。ナダルにまたまたダブルフォルトが出るが、こちらも負けずにフェデラーのバックハンドを攻めてキープした。前日とはまた違った味わいがする「意地の張り合い」である。

第4ゲーム、今度はナダルが先にブレイク。今までとは違う展開で、あれよあれよと言う間にナダルの4-1に。だけどフェデラーは何と言ってもNo. 1プレイヤーである。安心する暇も与えずサービスキープして4-2とし、その勢いでナダルのサービスゲームにプレッシャーをかける。さあ、ここで追いつかれたら、ナダルも苦しいぞ。
 2人とも互いに走らされ、いったん端まで行ったら戻るのもひと苦労だ。それでも走る、打つ、また走る。さらに鋭いボールを打つ。この第7ゲーム、フェデラーはよくナダルに迫ったと思う。しかしナダルがキープした。

第8ゲームは割とあっさりフェデラーがキープした。そしてとうとうナダルのサービング・フォー・チャンピオンシップ。最初のサーブ。フェデラーのボールがネットに嫌われコードボールとなり、それをナダルがアングルで返す。フェデラーのボールがネット、またネット、そして最後はナダルのクロスがウィナーとなって、勝負はついた。ナダル優勝。座り込んで頭のてっぺんを地面に押しつけた。

またまた放送時間がなくなり、セレモニーは見られず。もう嫌になっちゃう。フェデラーの寂しそうな顔が頭に焼きついてしまった。まさかエナンみたいに引退なんて言わないよね……。
 ナダル、よくぞ勝ったものである。クレーでは絶対に負けたくないという気持ちが勝負の女神を味方につけるのだろう。かなり危ない場面もあったと思うのだけれど……。感服しました。ただただ、おめでとうと言うだけだ。
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by slycat | 2008-05-19 01:34 | テニス

世界第2位を巡る攻防

MASTERS SERIES HAMBURG Semifinal
R. Federer d. A. Seppi 6-3, 6-1
R. Nadal d. N. Djokovic 7-5, 2-6, 6-2

第1試合については、あまり語ることがない。セッピのプレーは軽やかで魅力があったが、久しぶりに見るフェデラーの完璧さが印象に残った。まだ本調子ではないようではあっても、ボールの軌道や腕の振り抜きなどがきれい。恐らく人間工学的にみても、最も適した角度で最も適した力をかけてボールを打つんだろうなと思わせる。

語るべきは第2試合。世界ランキング第2位のナダルと第3位のジョコビッチはポイント差が接近しており、この試合で勝利を収めたほうが第2位となる、という状況に置かれていた。てっぺんにフェデラーという不動のNo. 1がいるため、ずっと第2位に甘んじていたナダル。ジョコビッチの躍進により、いまやその地位すら危うくなってきたとは……勝負の世界は厳しい。

モンテカルロは順当に優勝できたものの、大事なローマでフェレーロに敗れたことが痛かった。ナダルはクレー・シーズンでポイントを稼いでおかなければ、シーズン後半、いつでもジョコビッチに抜き去られる危険がある。
 片やジョコビッチはローマで優勝、クレーでもその実力を発揮する。貫禄すら感じさせるプレーは非常に安定感があり、パワーも十分。しかもメンタルがやたらと強い。何か伸び悩みを抱えているんじゃないかという気配のあるナダルに比べても勢いがある。
 そんなこんなで、何だか背水の陣みたいな格好になってしまったナダルにシンパシーを感じ、ナダルのほうに肩入れしながら試合を見た。

<第1セット>
ナダルのプレーはいつも通り、という感じ。お互いコーナーを突き、きわどいボールを連続して放つが、どちらかといえばカウンターのナダルに対して、ジョコビッチは自分からリズムを作れるところが有利に映る。案の定ジョコビッチが先にブレイク、あっという間にジョコビッチの3-0となってしまった。

ナダルのプレーは、クレーでも通用しなくなってしまったのだろうか。そんなことを考えながら見守っていたが、ナダルもダテにNo. 2の座を守ってきたわけではない。第4ゲームをキープし、第5ゲームでブレイクバック。こうなったら、とにかくナダルは自分の力を信じて、自分のやり方で点数を重ねていくしかない。

第7ゲーム、第8ゲームは2人ともサービスキープ。スペイン・セルビアの国旗が翻る観客席には、翌日の決勝を前に息子を心配したのか、フェデラーのお父様が座っている。
 そして迎えた第9ゲーム、また試合が動いた。ここに来てジョコビッチにエラーが続出、ナダルがジョコビッチに1ポイントも与えずブレイクに成功し、5-4と王手をかけた。
 ところが、サービング・フォー・セットの局面で今度はナダルにミス。しかもダブルフォルトまでやらかしてしまい、ドロップショットをうまく返したジョコビッチがブレイクバックした。

また振り出しに戻った。ジョコビッチは果敢にフォアの強打で攻めていくが、ナダルが粘る。ローマで裂けた足のマメ、完治しているとはとても思えないが、走る走る、回り込む。ジョコビッチのほうが返球のタイミングは早いのだが、ナダルも負けてはいない。ラリーを続けると、根負けするのはジョコビッチ。そして素晴らしいパッシングでナダルが再びブレイクして6-5となった。飛び上がって叫ぶナダル。いいぞぉ、ナダルが戻ってきた。
 そしてまたまたやってきたサービング・フォー・セット。密かに悪い癖だと思っているジョコビッチのドロップショットをナダルが絶妙のタッチで返す。次は切れのいいバックハンドでジョコビッチの横を抜き、さらにフォアのパッシングを決める。ベースラインにいるナダルに対して、ジョコビッチはむしろ積極的に前へ出ているのだが、この場面においてはナダルに分があった。最後は得意の逆クロスがきれいに決まり、ナダルがセット先取。最初の3ゲームはどうなることかと思ったが、いや〜さすがクレー・キングだね!

<第2セット>
ところが、ジョコビッチはやはり恐ろしい選手だった。プレーの抽き出しをたくさん持っていて多彩である。サーブも速い。ナダルに劣らず脚力がある。また、非常に速いタイミングでリターンできるのは大きな武器だと思う。第1セットで驚異的な粘りを見せたナダルだが、ここへきて徐々にジョコビッチのスピードとパワーに押されてきた。マイアミ決勝のときのダビデンコがそうだったが、ナダルを倒そうと思ったら、厳しいボールを打つのはもちろん、スピードで勝負するのが効果的なのだろう。

第5ゲーム、あわやナダルがブレイクか、と思ったが、ジョコビッチがネットに出てチャンスを作りキープ。第6ゲーム、今度はジョコビッチにブレイクチャンス。ナダルがデュースに持ち込み、腹を立てたジョコビッチがラケットを地面に叩きつける場面もあったが、畳み掛けるようなフォアの強打でナダルのリズムを崩してジョコビッチがブレイク。このフォアが効く。

その後も、特別ナダルが悪いわけではないのに、デュースに縺れてはジョコビッチが取るという展開に。ナダルは打ち負けてしまう。結局2ゲームしか取れずにジョコビッチが第2セットを取った。
 しかし本当に2人とも、咄嗟の反応が物凄い。2度ほどネット前でボレーの攻防があったが、お互い考える暇もなく打って、それが決まってしまうのだから驚きだ。

<第3セット>
泣いても笑ってもあと1セット。ジョコビッチのサービスゲームをナダルがブレイク。しかし一歩も引かない勝負の中、ボールを追ったジョコビッチが足を滑らせ転んでしまうと、ウィナーにもかかわらず、ナダルはガッツポーズをとらなかった。喜ぶよりもむしろ心配そうな表情を見せる。ナダルのこういうところ、スポーツマンらしい態度に心打たれる。思わず喜んじゃっても誰も責めないと思うんだけどね。

第2ゲーム、今度はジョコビッチにブレイクチャンス。「伯仲」という言葉がこれほどふさわしい試合はあるだろうか。ところが、大事な大事な場面でジョコビッチを不運が襲った。渾身のショットでガットが切れてしまい、ボールはアウト。座り込んで苦笑いをするジョコビッチ。思わず天を仰いで十字を切る。解説の辻野隆三さんによれば、今後はラケットを換えるタイミングを考えていかなければならないだろう、とのことだ。力だけでは勝てないプロの世界、本当に過酷である。
 取替えたラケットがしっくりこないのか、大事なポイントを失った打撃から立ち直れないのか、ショットがうまく決まらないジョコビッチ。ナダルがキープして2-0。ジョコビッチは再びラケットをコートに叩きつけた。

しかしこの子たちの精神力には頭が下がりっ放しだ。トラブルに見舞われても、セットを落としても、決して投げやりにならない。これが20歳と21歳だなんて、信じられない。気力が疲れを忘れさせるのか、プレーの精度も変わらない。意地と意地のぶつかり合いが、かえって清々しいほど。試合を見応えあるものにしている(ついでに、2人の肩から背中から、もうもうと立ち上がる湯気にたじたじとなってしまった)。

第3〜6ゲームはお互いにサービスキープ。しかし第7ゲーム、ジョコビッチに疲労が色濃くなってきた。球威が落ちたというわけではないのだが、ミスでポイントを失う。ナダルがブレイクして、ついにサービング・フォー・マッチ。ナダルも疲れているはずなのだが、衰えは感じられない。
 そしてジョコビッチも気力を振り絞っての強打で立ち向かう。ギリギリの場面だというのに、ここでもドロップショットでナダルを揺さぶる。
 またまたデュース。ここで再びジョコビッチのドロップショット。これはうまくいかなかった。ナダルにアドバンテージ。またもやジョコビッチのドロップショット。今度はナダル追いつけず、苦笑いが出た。ジョコビッチにブレイクチャンス。しかしボールが長過ぎた。ナダルにミス、ジョコビッチにブレイクチャンス。ナダルのサービスエース。ジョコビッチのドロップショットがネット。ナダルのボレーがネット。あぁ疲れる。
 
ジョコビッチのリターンを広い損ねてジョコビッチのポイント。しかしナダルのサーブがよかった。7回目のデュース。今度のサーブもいい。さらにジョコビッチのドロップショット。本当によく使うな〜。デュース8回目。いいサーブ、そしてネットへ出てボレーで決める。ナダルのマッチポイント、ラリーが続き、そしてまたまた放ったジョコビッチのドロップショットがネット、ついに試合が終わった。ナダルが第2位の座を守った。

観客が総立ちとなり拍手を送る。本当に拍手にふさわしい試合だった。もうすでにハンブルク大会が終わったような気になってしまった。
 普通だと、敗れた選手に「残念だった、次は頑張って欲しい」などと結ぶところだが、不思議とジョコビッチに対してはそんな言葉はふさわしくないように思う。これだけやって、それでもナダルが勝つなら仕方がない。と言うか、ジョコビッチが負けた、という気がしない。凄い試合を見た満足感だけが残るようだ。

いや〜しかし、こんなに体力を使ってしまって、楽々勝って休息をとったフェデラーに勝てるんだろうか、ナダル。久しぶりの対決となるフェデラーとの試合がどんな展開になるのか、全く予想できない。静かに夜を待つだけである。
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by slycat | 2008-05-18 15:42 | テニス

AMS ローマ決勝

N. Djokovic d. S. Wawrinka 4-6, 6-3, 6-3

第1試合はロディック、第2試合はステパネクの棄権により、あっけなく終わったローマ準決勝。ロディックは背中を傷めたとのこと、ステパネクは試合開始直後から見るからに気分が悪そうだった。残念なことだが仕方がない。2人とも、無理せずじっくり治療して欲しいものである。

ある意味不完全燃焼で決勝に進んだジョコビッチとバブリンカ(ATPのガイドではva-VINK-ahと発音する、と書かれているが、バビンカでは誰のことかわからないのでバブリンカにする)だが、体力は温存できたはず。今日こそは面白い試合が見られるだろうと期待した。

ジョコビッチは最初からドロップショットを多用。相手の出方を見ているのかなぁ。バブリンカのほうはいきなりダブルフォルト、やっぱりジョコビッチが断然有利かと思ったら、どっこい先にブレイクしたのはバブリンカ。得意なサーフェイスはクレー、というだけのことはある。シングルのバックハンドがとてもきれいで、打たれたボールは凄い角度で飛んでいく。フォアの逆クロスもきれい。
 少し風が吹いているらしく、動くたびに前髪がフワフワとなびくバブリンカ。涼し気な顔である。片やジョコビッチはいやな汗をかいているようで、ツンツンヘアがじっとり濡れている。バブリンカが第1セットを取った。

体調が悪いわけでもなさそうだが、なぜか思うような球が打てないらしいジョコビッチ。大声を出して自分自身を叱りつける。
 だがさすが世界のNo. 3、いつまでもグジグジはしていない。徐々にペースを摑み、畳みかけるようなフォアをビシビシ打ち込んで第6ゲームでブレイク。拳を何度も振って自らを鼓舞する。
 このまま行けばいいのに、再びジョコビッチがクロスにドロップショットを放つ。バブリンカが落ち着いて返してポイントを取る。結局はジョコビッチが攻めてサービスキープしたものの、あんまりドロップショットに頼らないほうがいいんじゃないか、などと思う。しかし、余計なお世話だった。ジョコビッチはその後ガンガン打ちまくり、素晴らしいフォアを次々と決めていった。第2セットはジョコビッチが取った。

第3セットは第1ゲームから凄いラリーとなった。お互い闘志がむき出しだ。打ち勝ったのはジョコビッチ、のっけからブレイクに成功した。第2ゲームでまたもやドロップショットをミスするジョコビッチ。だからやめなさいってば。しかしちゃんとキープして2-0に。
 第3ゲームでもジョコビッチがドロップショット、これは成功したが、バブリンカがキープ。しかし、明らかにジョコビッチに押され気味である。蛍光グリーンから白いウェアに着替えて次のゲームに臨む。

それにしてもジョコビッチのフォアは凄い。威力もあるが、何と言っても強気の姿勢がいい。ちょっとムキになっているようにも見えるものの、ちゃんとポイントにつながっている。これが若さの力なんだろうか(バブリンカだってまだ23歳なんだけど)。

バブリンカがトレーナーを呼ぶ。背中にクリームのようなものを擦り込んだようだ。
 第6ゲーム、ジョコビッチのサーブ。心無しかボールをつく回数が増えたが、動揺していたわけでもなさそうだ。あっさりとキープする。
 追い詰められつつあるバブリンカだが、相変わらずバックハンドから繰り出されるのは厳しいボール。ジョコビッチもよくついていく。0-40で難なくキープと思われたがここでももつれた。3回のデュースをバブリンカが辛くも制した。見応えのあるゲームで、見ているほうの肩が凝ってしまう。

何とかしようと頑張るバブリンカだが、ボールが長過ぎる。ジョコビッチの守りの堅さが際立っている。ここでもドロップショットを使う。気になるなぁ……。解説の丸山さんは好意的に受け取っていたが、せっかくフォアの強打が素晴らしいので、もっと見たいと欲が出てしまうのだ。
 バブリンカは最後まで諦めなかった。投げやりな気持ちなど微塵も見せない。観客を十二分に満足させる真摯な打ち合いが続く。

最後はジョコビッチのウィナーで試合が決まった。緩いカーブを描くボールの次は早いタイミングでの返球、そして高い打点からの強打と、組み立ても完璧だった。ジョコビッチは強い。近い将来、間違いなくNo. 1になるであろう選手の成長に、今自分も立ち合っているんだなぁと思う。

残念ながら今回の放送ではセレモニーが映らなかった。バブリンカのスピーチが聞きたかったのに……。女子ジャーマン・オープンの決勝が控えているからなのだろうが、物足りない気持ちである。「放送開始までしばらくお待ちください」なんてテロップを流すくらいなら最後まで放送してくれ、GAORAサン。
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by slycat | 2008-05-12 00:21 | テニス

Pacific Life Open 2008決勝

N. Djokovic d. M. Fish 6-2, 5-7, 6-3

いよいよジョコビッチ時代の到来か、誰もがそう思ったに違いない。2008年最初のマスターズシリーズ、Pacific Life Openの優勝トロフィーは、フェデラーでもナダルでもなく、ランキングNo. 3のジョコビッチが攫っていった。

試合を通して、自分のペースを乱さず、ピンチと思われたときにも速やかに形勢を自分の側に戻すことができた。その精神力には終始驚かされっ放しだった。20歳でこんなに落ち着いていていいんだろうか。
 しかも見ていてプレーがきれいだ。ウイナーの一つひとつに、「お見事!」と声をかけたくなる。老練の技術、なのに表情には幼さが残り可愛らしい。彼が徐々に力をつけてランクを上げてきた頃は、少し地味だなぁなんて思っていたのだが、なかなかどうして、華やかな魅力がある。

しかし、やはり特筆すべきはフィッシュの頑張りだった。Pacific Life Openの公式サイトは「Djokovic Ends Fish's Dream Run to Clinch Title」という見出しでこの日の結果を伝えている。本当に、夢の実現まであと一歩だった、と思うと残念でならない。彼のおかげでいい試合になった。

第1セットは始まった途端にジョコビッチがリードし、シード選手を次々と倒してきたフィッシュも、さすがに緊張してしまったかな、と思われた。特に第6ゲームでのダブルフォルトが痛かった。6-2でジョコビッチが第1セットを先取。フェデラーに勝ったことで満足してしまい、ここへきて疲れが出てきてしまったかなぁと思った。

だが第2セットに入ると、徐々にフィッシュの動きに柔らかさが出てきて、フェデラーをノックアウトしたフォアが決まるようになった。始めはミスの多かったバックハンドにも切れが見えるようになり、落ち着き払ったジョコビッチでさえ手が出せなくなってきた。そして粘りに粘ってジョコビッチを追い詰め、7-5で第2セットを奪い取る。うわぁ、これはいよいよ来るか、来るか、やっちゃうか〜? 見ているほうがドキドキして苦しくなってきた。

この大会で初めてセットを失ったジョコビッチ。それでも彼は慌てなかった。ここで彼の本領が発揮される。フィッシュにしてみれば、ジョコビッチがどんどん壁のように見えていったことだろう。もうちょっとネットに出て、もうちょっとアグレッシブに攻めていれば、あるいは……。もちろんフィッシュは最後まで諦めることはなかった、だが最後のボール、ほんの少し長かった……。

試合後、選手たちがお互いを讃え合う姿はいつ見ても感動的だが、6歳年上のフィッシュが、20歳のジョコビッチの頭を「よくやったよな」と言わんばかりにクイッと押さえたのがなかなかよい光景だった。いろいろな思いがあっただろうね。

2001年のアガシを最後に、この大会でのアメリカ人選手の優勝者は出ていない。しかし決勝に残ったのがロディックではなくフィッシュだった、というのは、逆にアメリカのテニスはまだまだ終わっていないということを示したように思う。たまたま誰かの調子が悪くても、いつでも代わりに出て行ける者がいる。やっぱりアメリカは凄い国なのだ(しかし応援する観客が掲げるカードの1つに「Marty Fish」と書かれていたのはいただけなかった)。

とはいうものの、恐るべしはセルビアである。今回、インディアンウェルズはジョコビッチ、イバノビッチの男女ダブル優勝となった。
 つい先日、NHKの『世界ふれあい街あるき』の再放送で、セルビアのベオグラードの風景を見たら、本当にこぢんまりとした街だった。車も少なく、人々はみな親切。素朴なところだなぁと思ったのだが、こういう小さな国から世界を股にかけて活躍するアスリートが続々と出てくるのだからびっくりだ。

この大会が終わると、すぐにマイアミが控えている。昨年はジョコビッチが優勝したのだったが、今年も連覇といくのだろうか。フィッシュがまたまた勝ち進んでくれるといいな。あ、でも今度こそナルバンディアンに勝って欲しいし……。楽しみは尽きない。
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by slycat | 2008-03-24 13:00 | テニス

Pacific Life Open 2008準決勝

N. Djokovic d. R. Nadal 6-3, 6-2
M. Fish d. R. Federer 6-3, 6-2

いよいよ今年のマスターズ・シリーズが開幕した。準決勝の顔触れを見れば、順当にランキングNo. 1、2、3の選手が揃っている。全豪オープンでパッとしなかったナルバンディアンがQFまで勝ち進んだのは喜ばしいことだったが、残念ながら思わぬ相手に敗れて姿を消した(あぁ、返す返すも残念だ……)。

そのナルバンディアンを打ち負かしたのが米国のマーディ・フィッシュである。ロディックの高校時代からの友達だ。
 2003年にロディックがNo. 1になったとき、記者会見の席にシャンパンの瓶を手に乱入してロディックをビショビショにした映像が思い出される(2人で散々騒ぎまくった後で席に戻ったロディックが、何事もなかったかのように「で、ほかに質問は?」と言ってさらに座を沸かせたのが楽しかった)。またロディックがクレジットカードのCM「モージョ」のシリーズに出演していたときも、フィッシュが一緒に映っていた。よほど仲がよいのだろう。
 しかし、常にトップ10を維持してきたロディックとは異なり、フィッシュは手首の故障などで伸び悩み、一時は300位以下までランクを落としてしまった。昨年、全豪でいいせんまで行ったな、と思ったが、親友ロディックの前に完敗。ライバルがひしめき合う米国でテニス選手という道を選ぶだけでも大変なのに、いつも友の後ろを歩かなければならない人生、その厳しさは半端ではないだろう。

そのフィッシュが、この大会でアンドリエフを敗り、ダビデンコを敗り、ヒューイット、ナルバンディアンを下して準決勝に上がってきた。これは凄い。
 久しぶりに彼を見ると、何だか太ってお腹が出ているし、何年か前から生やしている髭の下の顎も少々たるみ気味。著明なスポンサーから見放されたのか、冴えないウェアでの登場である。一体どうやってここまで勝ち進んできたのか、No. 1のフェデラー相手にどんなプレーで対抗するのか、興味津々だった。

第1試合
第1試合はナダル vs ジョコビッチ。若い2人のプレーはスピード感があり、しかも伸び伸びとしていて面白い。加えて、お互いに持っている抽き出しの多いこと。若いのに決して力任せではないし、慌てて凡ミスをすることもない。ジョコビッチに至っては、ラリーの途中でラケットを落としてしまったのに、拾ってまた打ったボールがウイナー、などというシーンが見られた。
 先にブレイクしたのはナダルだったが、すぐにジョコビッチが追いつく。ここのところずっとフェデラーとナダルの対決が注目を集めてきたが、今後はこの2人の闘いがメインとなって続くだろう。数年後のテニスシーンの行方を予測する意味でも、一瞬一瞬が見逃せない。
 しかし、グランドスラムのタイトルを取ったジョコビッチ、昨年までの彼にはなかった貫禄とスター性が出てきたように思う。厳しいラリーを制したときの、観客を鼓舞するジェスチャーなど、堂々たるものだ。
 ナダルには、コートの雰囲気を利用して観客を味方につける“パフォーマー”としての才能はないらしく、それが少し残念である。もちろん生真面目なところが彼の魅力なのだが……。

ナダルにとって気の毒だったのは、第1セット第8ゲーム終了の時点で右足に怪我(マメか、爪が剥がれたか)のためトレーナーを呼んだのに、結局第9ゲームが終わるまで(第1セットを落としてしまうまで)治療できなかったことだ。ルール上仕方がないのだろうが、気持ちがダメージを受けたことだろう。治療にはだいぶ時間がかかった。また、ナダルが不満を漏らしたのか(?)、ATPのスーパーバイザーが出てきて彼と話をしていた。

その後もナダルはもうひとつ元気がなかった。もちろんやられっ放しだったわけではない。ブレイクのチャンスはあった。しかしジョコビッチにはとにかく隙がない。一貫して落ち着いていた。
 ハードコートだから仕方ないよ、と言いたいところだが、ナダルにしてみればNo. 1になるためにはハードコートでこそタイトルを取りたいだろうから慰めにもならない。派手なガッツポーズが見られなかったのも気になる。大人になった、ということなのかもしれないが、余計なことをあれこれ考えているのではないか、とも思う。左の手の甲に何か文字が書かれているのが目を引いたが、“おまじない”だったとしたら、何かのっぴきならない問題を抱えていたのかもしれない。

ジョコビッチは見事だった。終始波がなく、出るべきところでしっかり勝負し、些細なミスにも動じなかった。高い打点からの強烈なフォアやバックのダウン・ザ・ライン、見せ場も多かった。スコア以上の試合だったと思う。今年のNo. 2、3の直接対決、まずはジョコビッチが一歩リードした。

第2試合
第2試合については、あれよあれよという間に終わってしまい、狐につままれたような気持ちだが、結果は偉大なものだ。ランキング98位のフィッシュが、フェデラーを敗る。フィッシュには大変失礼ながら、こんなことになるとは夢にも思っていなかった。
 フェデラーはウイルス性疾患を抱えているということで顔色も優れず、試合前から体調はどうなんだと危惧されていたが、何のかんの言っても準決勝まで来たのだ、多少具合が悪くても勝つのだろうと思っていた。
 片やフィッシュは上記のとおり、何となく太っていて(申し訳ないけど)、動きも重いように見え、左右に振られたら追いつけそうもないな〜なんてことを思っていたのだが。あにはからんや、振り回されたのはフェデラーのほうであり、終わってみればフィッシュの圧勝といってよい出来だった。

素人なのでよくわからないのだが、フィッシュのボールは重そうだった(武侠小説の世界で言う“内力”が込められているみたい)。フラットなボールだそうだ。決して流れるようなきれいな体勢で打つわけではないのに、面白いように決まる。また、成功するしないにかかわらず、ネットにもよく出て行った。強気でなければできないことだ。いい意味で何も考えず、思い切りラケットを振っているように見えた。
 最初は、「フェデラーはいつも立ち上がりがよくないから……」などとたかをくくっていたものの、第1セットをフィッシュが取った時点で、これはどうも、フィッシュが勝ちそうだ、と気づいた。母国の人々の応援を受け、フィッシュはまさに水を得た魚だった(と、これが言いたかった)。

試合後、観客に向かって“ハグ”の仕草を繰り返したフィッシュ、穏やかな笑顔が印象に残る。ずっとずっと苦労してきた人の努力がある日突然報われる、その時を共有できたのが何より感動的だ。誰の人生にもこういう日があるんだな、と思えなければ、明日を生き続ける意味が見出せない。フィッシュよ、希望を与えてくれて有難う! よくぞこの日を迎えたね!と彼を讃えたい。
 そして体調が悪いのに耐えてこの大会に出場し、ここまで勝ってきたフェデラーも賞賛に値する。やはりあなたの強さは本物だ。悔しさを人に見せないためにか足早にコートを後にしたフェデラーだが、彼ならきっと病気とうまく付き合って、やがて活路を見出すことだろう。

ナダル、フェデラーにとってはとんだ“ヨナの日”となってしまったが、マスターズシリーズは開幕したばかり。これからチャンスを生かして欲しい。
 そして明日の決勝の行方は……。こうなったらフィッシュに勝ってもらいたいと思ってしまうが、どうだろう。明日は早起きしなくっちゃ。
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by slycat | 2008-03-23 15:12 | テニス

ナルバンディアン2連勝!

BNP PARIBAS MASTERS D. Nalbandian d. R. Nadal 6-4, 6-0

先々週、やっと1つマスターズ・シリーズ・タイトルを取ったと思ったら、またやってくれました、ナルバンディアン。2つ目の勝利! 再びNo. 1とNo. 2を下し、実力を世界に示した。しかも第2セットはナダル相手にベーグル。こんなに嬉しいことはない。

昨日、バグダティスに対して見事な逆転勝利を見せたナダル、脚の故障もすっかり治ったようだし調子もよさそうで、正直、今日の試合は難しいものになるのではないかと危惧していた。
 第1セットは案の定、息詰まる闘いとなった。2人ともいい立ち上がり。ナルバンディアンの表情は昨日と変わらず、落ち着いていたが、どんなボールでも打ち返してくるナダルが相手では、昨日以上に厳しく攻めていかないとチャンスは少ないんじゃないか……。
 昨日に比べると1stサーブの入りはよいようだが、相手のサービスゲームでは果敢に攻めるもののボールをネットを引っ掛けたりボレーをミスしたり、もう少しのところでブレイクできない。ただ、それでもナルバンディアンは苛つく様子を見せなかった。
 お互いのサービス・キープが続く。だがナルバンディアンのほうはあっさり、というよりデュースまでもつれてキープ、という感じで、まだ不安は消えなかった。このままだといずれはナダルの流れになるのかな、と思っていた第9ゲーム、試合が動いた。
 ナルバンディアンがボールを左右に打ち分け、ナダルを振る。もちろんナダルは追いついて打ち返すが、角度のある浅いスライスを打ち損ねて15-40まで追い詰められた。ナダルの2ndサーブを思い切り叩くナルバンディアン。これがリターンエースとなって、ナルバンディアンがブレイクに成功した。
 サービング・フォー・セット、ここでもナルバンディアンは慌てない。15-0、ラリーの中で絶妙のドロップショットを放つ。それをナダルが返すとすかさず角度をつけてボールを沈める。ナダルが再び拾い、クロスに飛んだボール、今度はゆっくり後方へ……。見事な打ち合いに観客席が沸く。大人の余裕を見せつけて、第1セットを先取した。

第2セット。さすがにナダルも黙ってはいないだろうから、このまま流れに乗って行って欲しい……。しかし、集中力が切れるどころか、むしろナルバンディアンの本領発揮はここからだった。
 第1ゲームからブレイクスタート。剃刀のようなバックハンドでナダルのフォアサイドを厳しく攻めたかと思えば、今度はバックサイドにクロス、ナダルがやっとのことで返してくるボールを鮮やかにボレー。球種も多彩だし、何よりショットが正確で、どんなに角度をつけてもボールはイン。相手に隙を与えない。

思えば、ナダルのガッツ・ポーズが全然見られなかった。そりゃーそうだ、だってそんなチャンスがないんだもの。完全にナルバンディアンに押さえ込まれていた。何とかしなきゃと思ったのかネットに出るシーンもあったが、あっけなくパッシングで抜かれてしまった。だんだんナダルが気の毒になるような展開になっていく。
 ナルバンディアンがクロスに打った鋭いボールを、ナダルが素晴らしい脚で追いつき、反対側のクロスへ。ふだんなら当然ナダルのウイナーになったはず。しかし今日は、さらにそれを打ち返したナルバンディアンのほうのウイナーとなってしまう。何をやっても突破口が見つからない。いつまで経ってもナダルのゲームポイントは0のままだった。
 最後はナルバンディアンのボールがネットに当たり、そのままインに。あっけない終わり方。ナダルに反撃のチャンスは与えられなかった。

準決勝のサマリーも凄かったが、今日の数字も凄い。1stサーブの入りは59%、1stサーブ・ポイントは88%、2ndで76%。ウイナーが25本、エースが5本、アンフォースト・エラーは14本。片やナダルは、エラーこそ15本だったがウイナーが5本しかなかった。ナルバンディアン、ぶっちぎりの強さだった。
 今回もナルバンディアンはコーチやトレーナーの元に駆け上がり、皆で抱き合って勝利を祝った。嬉しそうな笑顔、“First of all, I'm so happy.”で始まったスピーチ、見ているファンとしても幸せになる。欲を言えばもっと早くこの幸せを味わわせて欲しかったけれど、ちゃんと期待に応えてくれたんだから、まぁいいや。

2004年、マドリッド、パリと連勝したサフィンは翌年の全豪オープンで優勝している。ひょっとしたらナルちゃんも……。その後のサフィンの展開(怪我とか)と同じになったら困るのだが、もうそろそろグランドスラムの1つや2つ、取ってもいい頃だろう。
 頼むからこのまま強いナルバンディアンであって欲しい。フェデラー対ナダル、ジョコビッチ、だけでなく、もう1人ナルバンディアンが加わることで、テニス・シーンは俄然面白くなってくるはずだ。

ナルバンディアン、改めておめでとう! 来年もこの調子で行こうね。
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by slycat | 2007-11-05 04:04 | テニス

パリ準決勝

BNP PARIBAS MASTERS
R. Nadal d. M. Baghdatis 4-6, 6-4, 6-3
D. Nalbandian d. R. Gasquet 6-2, 6-4

第1試合
シーズン最後のマスターズ・シリーズ。第1試合は見応えのある熱戦となった。現時点で320ポイントのバグダティス、負ければ第2試合に登場する366ポイントのガスケの出場が決定する。ここで勝てば上海行きの望みがつながる。バグダティスにとっては絶対に負けたくない試合だった。

第1セット第2ゲームをナダルがブレイク、第3ゲームもキープしてナダルの3-0となったときは、うわぁ、やっぱりNo. 2は強いと思った。フォアがいつもに増して冴えていた。
 しかし第5ゲームをキープしてから、バグダティスの反撃が始まった。ライジングで相手に余裕を与えず、自分のペースを作っていって第6、8ゲームをブレイク。高い打点のショットが光った。ナダルのミスが徐々に増えていく。何だか妙にネットに出て行ってはバグダティスにパスを抜かれてしまうのが気になった。
 解説の丸山薫さんによれば、ナダルが自分のテニスを向上させるために、新しいプレーを採り入れようとしているのではないか、ということだが、何もこの場面でやらなくてもいいのに、と思う。

第2セットに入っても、ナダルはいきなりダブルフォルトで相手にブレイクを許してしまう。何か変だなぁ。バグダティスは波に乗って表情も明るい。このままあっさり行ってしまいそうだ。
 だが、ナダルはよく堪えた。その後はキープを続け、ついに第6ゲームでブレイクバック。フォアのダウン・ザ・ラインが決まって3-3となった。
 ここから再びお互いのキープが続く。第9ゲームではナダルのサーブにいったんチャレンジしようとしたバグダティスが、「やっぱり入ってた」とニコニコしながらチャレンジをやめるというシーンが見られた。厳しい局面なのに、面白い奴だなー。ナダルのほうはピリピリした雰囲気を漂わせていたが、デュースを凌いで何とかキープした。
 ナダルの5-4で迎えた第10ゲーム。ここまで頑張ってきたバグダティスにダブルフォルトが出た。次は切り抜けたもののミスが2つ続き、ナダルにセットポイントが来た。バグダティスのボールがネットにかかり、第2セットはナダルが取る。

決着はファイナルセットに持ち越された。ナダルの厳しい表情は変わらない。バグダティスのほうは、やや疲れが見えてきたようでミスが増えてきた。第4ゲームを落とし1-3になると、かなり苦し気になった。ナダルはネットに出るのはやめ、いつものスタイルに戻して盤石の守りに入る。
 第6ゲーム、またもやバグダティスにダブルフォルト。さすがに表情が暗くなるが、3つのブレイクポイントにおいても踏ん張った。素晴らしい走りでパスを決め、喜びにジャンプするバグダティスに会場が湧く。0-40から最後はサービスエースで自分のゲームをキープした。
 第7ゲーム、ナダルがキープ。第8ゲーム、バグダティスがキープ。返す返すも、第4ゲームのブレイクが悔やまれる。第9ゲーム、バグダティスは胸のすくようなバックハンドのウイナー、これしかない、というタイミングのボレーと観客を魅了したが、それでも後一歩というところでナダルを崩すことはできなかった。最後はネットに当たったボールがラインの外に飛んで行ってアウト。バグダティスの上海行きが消えた。

試合の後、ナダルが第1セットで着替えたシャツをバッグにしまう前にギューギュー絞っていたが、したたる汗の量が半端じゃなかった。バグダティスに苦しめられた証ともいえるだろう。残念ながら今年のマスターズ・カップ出場は叶わなかったが、面白い試合を見せてくれたバグダティスに感謝。そして、1セットダウンから諦めずに逆転したナダルにも感服である。いい試合だった。

第2試合
先の試合で、戦う前から上海行きの切符を手にしたガスケ、それで気持ちが緩んだとは思わないが、こちらはナルバンディアンの「完全試合」という印象だった。

今日のナルちゃんは、完璧だった。試合前からリラックスしており、非常に落ち着いた雰囲気でコートに入って来たが、つまらないミスがほとんどなかった。そうだ、こういうナルバンディアンが見たかったんだ。先日のマドリッドと言い、本当に本当に素晴らしかった。

その素晴らしさは数字にも現れている。ガスケに2ゲームしか与えずわずか29分で取った第1セット、1stサーブの入りは33%だったが、1stが入れば何と100%ポイントを取ることができた。2ndサーブでも67%の確率でポイントを取った。トータルウイナーは14本、アンフォースト・エラーはたったの8本。いつもながらバックハンドが冴え、ドロップショットも完璧。ガスケには打つ手がなかった。

第2セットに入っても、ナルバンディアンは悠々と試合を進めた。第3、第5ゲームをブレイク、凄い角度でリターンエースが決まる。5-1となって、これで王手、と思われたが、ガスケが意地を見せて第7ゲームをキープ。観客席が大いに沸いた。
 舞台がパリなので、観客が自国のガスケを応援するのは当然なのだが、彼らはかなり行儀が悪かった。ナルバンディアンのサーブの合間に太鼓を叩いて「リシャール、リシャール」と叫ぶ。TVのカメラがアルゼンチンの国旗を掲げる観客を映すとブーイングが起こり、フランス国旗が映ると歓声が湧く。
 ナルバンディアンのサービング・フォー・マッチ、第8ゲーム。ナルバンディアンがドロップショットを失敗し、1stサーブのポイント奪取率がここで100%ではなくなった。ガスケが突然吹っ切れたようにスピードを上げてきて、それに伴い観客が熱狂、応援が沸騰する。ナルバンディアンにようやく乱れが出て、ガスケがブレイク。続く第9ゲームもキープして、観客は大喜び、ウェーブが沸き起こった。

第10ゲーム。騒がしくてなかなかサーブができない。何と言ったのかはわからないが、ウイナーの後ナルバンディアンの吐いた言葉に大ブーイングが起こる。せっかくいい調子だったのに、まさかここでキレてしまうのか、と私はハラハラした。ガスケが嫌いなわけでは全然ないのだが、最後まで完璧なナルちゃんが見たかったのである。
 しかしナルバンディアンは、マドリッドの優勝で何かが変わったようだった。どんなに騒がしくても、自分を見失うまでには至らなかった。マッチポイント、ガスケのリターンが大きく外れて、ナルバンディアンの勝利が決まった。

試合後、ガスケとはしっかり握手をして敢闘を讃え合ったが、観客に対しては少しわだかまりがあったのか、ナルバンディアンは笑顔を見せなかった。鍋島アナウンサーは、「もう心はすでに決勝へ!」と好意的にコメントしてくれたが、怒っていたのかもしれないな、と思った。

マッチ・サマリーを見れば、1stサーブは44%しか入らなかったが、1stサーブのポイントは90%、2ndサーブのポイントが56%。ウイナーは32本、エラーは19本(ガスケはウイナーもエラーも14本)。試合時間は1時間8分だった。サーブが入るに越したことはないが、フォルトを怖れず果敢に攻めていったことがよくわかる。

こんなに強いナルちゃんが見られるなんて。生きているといろいろいいことがあるもんだ、などと思い本当に嬉しい。この完璧さ、明日の決勝でも維持できるだろうか。できるとすれば、たとえナダルでも、倒すのは至難の業だろう。ずっとタイトルに縁がなかったのに、ここにきていきなり連続でトロフィーを取ってしまうかも。頑張れ、ナルバンディアン!
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by slycat | 2007-11-04 06:59 | テニス

勢い止まらず!

BNP PARIBAS MASTERS D. Nalbandian d. R. Federer 6-4, 7-6

マドリッドでようやくマスターズ・シリーズ初優勝を決めた後、バーゼルであっさり1回戦負けしてしまったナルバンディアン、あ〜あ、やっぱり2週連続は無理か……と思ったが、何の何の。シーズン終わりに上がってきた勢いは、まだまだ止まっていなかった。
 もちろん、全豪、全英、全米とシーズンを通して好調だったフェデラーのほうは、逆に疲れが出てきているのだろう。ここで負けても年間ランキングNo. 1は揺るがないし、「波乱」というほどのことでもない。まぁいいじゃん、というところだろうが、ナルバンディアンにとっては、ここパリで稼ぐポイントは大きい。
 さらに、目の上のでっかいたんこぶ、フェデラーが消えたとなれば、ほかの選手も俄然やる気が出るだろう。フェデラーには申し訳ないが、パリは燃えている。

勝因について、ナルバンディアンは「スタートから厳しく攻めて、彼にプレッシャーを与え続けたのが鍵だった」と言っている。
 昨年全仏で当たったときも第1セットの攻めが物凄く、あわや勝つかと思って喜んだら、途中怪我した腹筋が痛み出して棄権の憂き目をみてしまった。あのときは本当にがっかりしたが、弱点のないフェデラーを倒すためには、最初からガンガン飛ばして、なおかつ相手にチャンスをやらないよう、最後まで飛ばし続けるしかない、ナルバンディアンの戦い方こそ正解だ、とつくづく思ったものだ。
 しかしそんなこと、フツーの人に何度もできるものではない。フェデラーの壁は高くて厚い。しかもフェデラーは1セット落としたところからがまた凄いのだ。

それでも、マドリッドで勝ち、今回パリでも勝つことができた。ナルバンディアンの底力が、ようやく陽の目を見せつつあるなぁ、そう思うとしみじみ嬉しい。このまま優勝できればもっと嬉しいけれど、まずはフェデラーに連勝できただけでも万々歳。欲を出さずに見守りたい。

    ❖  ❖  ❖

嬉しいニュースの裏で、ヒンギス引退のニュースが入ってきた。ウインブルドンの試合後の検査で、コカインの陽性反応が出たため、ということだ。「置かれた状況や自分の年齢、腰の故障などを考えた末、ツアーでプレーすることを断念することに決めました。弁護士の助言によりこれ以上の発言はできません。誰かを貶めたり、新たな問題が生じたりするかもしれないからです。皆さんの長年の好意に感謝します。ひとつ確かなことは、私はドラッグを服用したことは決してありません」。
 長いブランクの後、テニス・シーンに戻ってきてくれて、「やっぱりヒンギスのテニスはいいねぇ」と私たちを喜ばせてくれたのに……。とてもショックである。
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by slycat | 2007-11-02 13:19 | テニス