ミステリ・テニス・ハムスター・モルモットについてあれこれと……
by slycat
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30
カテゴリ
全体
ハムスター
テニス
ミステリ
日常のこと
音楽
その他スポーツ
大相撲
映画
小説
ドラマ
高校受験
文楽
旅行
ウサギ
モルモット
未分類
以前の記事
2016年 08月
2016年 03月
2016年 02月
2012年 09月
2011年 07月
2011年 03月
2010年 10月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 02月
2009年 11月
2009年 10月
2009年 09月
2009年 07月
2009年 05月
2009年 04月
2009年 03月
2009年 02月
2009年 01月
2008年 12月
2008年 11月
2008年 10月
2008年 09月
2008年 08月
2008年 07月
2008年 06月
2008年 05月
2008年 04月
2008年 03月
2008年 02月
2008年 01月
2007年 12月
2007年 11月
2007年 10月
2007年 09月
2007年 08月
2007年 07月
2007年 06月
2007年 05月
2007年 04月
2007年 03月
2007年 02月
2007年 01月
2006年 12月
2006年 11月
2006年 10月
2006年 09月
2006年 08月
2006年 07月
2006年 06月
2006年 05月
2006年 04月
2006年 03月
2006年 02月
最新のトラックバック
東レPPO 2007
from More to life
華麗なる敗者
from la mer | アンディ・..
ハムスターの飼育の基本
from ペットの飼育 ペットとの生活
矛盾だらけの大相撲
from ゆっくりゆっくり 音楽でも聴..
矛盾だらけの大相撲
from ゆっくりゆっくり 音楽でも聴..
「ナチョ・リブレ 覆面の..
from じゃがバタ~ 映画メモ
ハムちゃん夏ばてしてませ..
from ペットは犬?いやいや私はカメ..
MOTHER3プレイ開始!
from More to life
「ひよこはなぜ道を渡る」..
from 読書とジャンプ
私はこのダイエットで成功した
from 私はこのダイエットで成功した
お気に入りブログ
More to life
はむぅの宴
la mer | アンデ...
よる記。
メモ帳
ライフログ
検索
タグ
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧


タグ:周星馳 ( 1 ) タグの人気記事

馬鹿にしたもんじゃない

ミラクル7号(2008年中国、原題:長江7号)
監督・製作・脚本:チャウ・シンチー

『カンフーハッスル』以来、何してるんだろうなぁ、と思っていたところへ公開されたチャウ・シンチーの最新作。貧乏親子とETの心暖まる物語(?)ということで、怖じ気づいたというか、胡散臭さを感じたというか、少々敬遠していたのだが、公開から1ヵ月が経過して、これ以上グズグズしてたら見逃してしまう、と決意を固めて観に行った。

上映している劇場を調べたら、何と「シネマスクエアとうきゅう」でしか観られない。以前『上海グランド』を観たのもこの映画館だったので、ここ10年くらいはアジア映画に力を入れているのかな、とも思うが、シネマスクエアとうきゅうといえば、私が学生の頃は、難解な文芸映画ばかりかける小屋だったのである。今ではあんまり珍しくもないが、毎回入れ替え制のため続けて観られない、フランス製の椅子を導入している、など当時としてはかなり画期的な、どちらかといえばお固い映画館だった。へえぇ、チャウ・シンチーの映画をシネマスクエアが……。何だか変な気持ちである。

1日に3回のみの上映で、しかも最後の回が15:15開始。平日にはとても行けないので、土曜日に息子を連れて行った。息子は『少林サッカー』を見せてからすっかりチャウ・シンチー・ファンとなっており、もちろん観に行くことに異論はない。いったん四谷3丁目まで行って立ち食い寿司(安くて美味い)の店でお昼を済ませ、新宿へ移動した。

道中、「今日は久しぶりにスカッと笑えるね」と言っていたのだが、結果的には滝のように涙を流して帰ることになった。もちろん、楽しくなかったわけではない。チャウ・シンチー節は健在で、彼が過去に撮った映画のパロディみたいな場面もあって大いに笑えた。だけど、一方で大いに泣かせる映画でもあったのである。

チャウ・シンチーは、今回の作品では脇役に徹しており、主人公は彼の息子ディッキーである。お父さんが日頃言い聞かせている「嘘をつかず、喧嘩せず、一生懸命勉強していれば尊敬される人になれる」という言葉を信じて健気に生きている。
 しかし貧乏だけはどうにもならず、運動靴が破れているからといって体育の時間に立たされたり、友達に馬鹿にされたりする。欲しいおもちゃも買ってもらえない。
 そんなある日、お父さんがゴミ捨て場から拾ってきた球状の物体が、可愛らしい生き物に変化する。ディッキーはこの生き物を長江7号(ナナちゃん)と名付け可愛がるようになる。

どうせCGなんだから、と思っていたのに、このナナちゃんの可愛らしさには脱帽する。本当に可愛い。ナナちゃんが画面に現れた途端、あまりの愛らしさにノックアウトされた。一時、学習能力のあるロボット犬が流行ったが、やっぱりペットというのは自由に行動し、人間の思い通りにならないところが愛おしいんだなぁと再確認する。
 この映画はスピルバーグの『E. T.』にインスパイアされて作られたのだが、ETとナナちゃんに違いがあるとすれば、ETがその超能力を惜し気もなく人前で披露するのに対して、ナナちゃんはこっそりと人知れず能力を発揮する、という点だろう。この辺り、実にアジア的な美学が感じられ日本人には理解しやすい。

今回、チャウ・シンチーはあくまでも子供向けの映画としてこの作品を作ったらしく、『少林サッカー』や『カンフーハッスル』のようなアクションはほとんどないし、彼独特の厳しいユーモア感覚(というものが存在するとすれば)も影を潜めている。しかし何か事が動くとしたら、それは情あってこそ、という姿勢は同じである。ディッキーとナナちゃんの間にある無条件の信頼関係、ディッキーとお父さんをつなぐ愛情、そういうものが素直に伝わってきて涙を誘う。

いやいや、こんなに泣いてしまうとは夢にも思わなかったが、非常に爽やかな気持ちである。シネマスクエアよ、四半世紀経ってようやくこの境地に至りましたか、よくやった! 「文芸映画」の建前なんかなくても、いい映画はちゃんと人に何かを伝えるものなのである。

それにしてもチャウ・シンチーって、貧乏を描かせたら世界一だなぁ。どんなに才能があっても、作品がヒットしても、どこか貧乏臭さを漂わせていられるところが凄い。ずっとこのまま、庶民の味方(?)の映画人であって欲しいと思う。
[PR]
by slycat | 2008-07-27 01:52 | 映画