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Sony Ericsson Open決勝
N. Djokovic d. G. Canas 6-3, 6-2, 6-4
ティーンエイジャー、ノヴァク・ジョコヴィッチが、ついに “やっちまった”。アガシの記録(1990年、19歳330日)を抜いて、マイアミのマスターズ・シリーズ最年少優勝を実現した(19歳315日)。月並みな言い方だが、テニスの歴史がまた新しく塗り替えられた。 決勝のコートに現れたカニャスとジョコヴィッチは、2人ともリラックスした表情。お互いに、ここまで勝ち進んできた喜びを噛み締めていたに違いない。 インディアン・ウェルズ決勝のときの硬さは、もうジョコヴィッチにはみられない。ほんとに、これくらいの年の男の子って、あっという間に大人になっちゃうのね、と思うと何だかまぶしい。 肩を並べてにこやかに写真撮影を済ませ、ウォーミング・アップ、そして試合開始。2人とも上々の立ち上がりだった。 第1セット 「事件」が起こったのは第1セット第4ゲーム、カニャス0-30からのセカンド・サーブのときである。線審の「フットフォルト!」のコールに、カニャスがマジギレした。自分は今までに一度もフットフォルトをとられたことがない、そんなはずはない、と主審に詰め寄るが、主張が受け入れられるはずもなく、気持ちが乱れたままそのゲームはジョコヴィッチにブレイクされてしまった。 カニャスはよほど腹に据えかねたらしく、コートチェンジでベンチに戻ってからも、繰り返し主審に訴える。 「I don't want to see her in the court anymore. Change her, change. I don't want be angry. She makes history today.」と聞こえた。線審を替えろと言って怒っている。 確かに、1995年にプロになったカニャスが、今までに一度もフットフォルトなんてしたことないんだ、というのは説得力がないでもない。昨日今日コートに出てきたひよっこじゃぁないわけだし。フットフォルトにもチャレンジ・システムが適用されれば真偽に決着がついたのかもしれない……。 フットフォルトは、プロの試合ではそんなにしょっちゅうとられる「反則」ではない。みんな子供の頃から、フットフォルトだけはしないよう、十分注意してサーブするのだろう。ヒューイットが何度かとられたのを見たことがあるし、モヤが「えっうそ!」という顔をしていたのを見たが、いずれも黙って引き下がった(ヒューイットのときは2度目に文句言ったかなぁ)。 訴えむなしく、主審に「誰にだって初めてのときがある」などといなされてしまったカニャス。コートの反対側でカッカとしている対戦相手のペースにも惑わされず、しっかり自分のゲームをキープしたジョコヴィッチが1セット目をものにした。 第2セット 第2セット第1ゲーム、ボレーでネットに出たカニャスにアクシデント。左太腿の裏に違和感が生じたらしい。それでもコートを左右に走り回り、ゲームをキープしたが、この脚の故障が、後々になって徐々にカニャスを苦しめていった。 一方のジョコヴィッチは、何だかフェデラーを彷彿とさせるような正確で落ち着いたプレーを続けた。フォアがとてもいい。自在に角度をつけて打ち込んでいく。特にフェデラーみたいだな、と思ったのは、バックのクロスから素早く前に出て繰り出したバックボレー。一連の動きが流れるようで、美しかった。セルビアのファンたちが観客席で「NOVAK, NEXT #1」と書かれたカードを掲げていたが、あながちただの思い入れではなく、何年後かには実現しちゃうかも、と思わせる。 このセットの第6ゲームに見せ場がやってきた。第5ゲームをブレイクされて、またも苦しくなったカニャスに、チャンスが訪れる。 長いラリーの応酬が続き、辛抱を続けるうちにデュースに持ち込むと、ここに来てジョコヴィッチにミスが出始めた。カニャスにブレイクポイント。再びラリーになり、ジョコヴィッチがクロスに打ち込んだボールに「アウト」のコール。かなりきわどい球だったが、ジョコヴィッチがチャレンジ。ホークアイの判定はイン! カニャスは苦笑い。ジョコヴィッチが胸に十字を切る(可愛いね)。 普通ならデュースからの仕切り直しかと思われたが、主審がリプレイを告げ、アドバンテージはカニャスのまま。さすがにおとなしいジョコヴィッチもクレームをつける。しかしこれも当然認められず。 コードボールでカニャスにツキが回ってきたかと思えば、フレームショットでジョコヴィッチにポイント。カニャスの絶妙のパスが決まってまたデュース。ジョコヴィッチのボールがアウト。ジョコヴィッチ、サーブのときの「毬つき」の回数が増えてくる。 ジョコヴィッチのダウン・ザ・ライン。ジョコヴィッチのドロップショットをカニャスがクリア、ジョコヴィッチのボールがネット。カニャスのボールがアウト。再びジョコヴィッチが放つドロップショットにカニャスが追いつく……ネット! 死闘の末、ジョコヴィッチがゲームをキープした。解説の丸山 薫さんがおっしゃるとおり、まるでファイナル・セットでのタイブレイクみたいな真剣勝負。この第6ゲームだけで21分かかった。 これで力尽きたわけでもないのだろうが、カニャスのプレーにキレがなくなってきた。ジョコヴィッチのほうは逆にミスが減り、強気の攻めで第7ゲームを再びブレイク。ニューボールで迎えた第8ゲーム、カニャスがまたも粘って2度デュース。しかしドロップショットなどをうまく使ったジョコヴィッチが第2セットを制した。 第3セット いよいよファイナル・セット。2セット・ダウンでさぞかしがっかりしているだろう、と思ったが、さすがに苦労人というか、歴戦の勇者カニャスはまだ諦めていなかった。滝のような汗、痛む脚、それでも果敢にボールに喰らいついていく姿に、神々しささえ感じられる。大人びてはいるものの、やっぱり19歳のジョコヴィッチのほうに苛立ちがみられるようになった。 それでも、大事なところで決まるサーブ、カニャスを振り回す左右への打ち分け、食い下がるカニャスを振り払い、ジョコヴィッチはキープを続ける。片やカニャスの脚はますます悪くなっていくようで、コートの上にいるときは表情に出さないものの、ベンチに戻ってトレーナーの手当を受ける様子を見ていると、痛みは治まるどころかひどくなっているようだった。 第9ゲーム、耐えて耐えて耐えてきたカニャスがダブルフォルトでゲームを落とす。4-5になった。最後のゲーム、タイトルを目前にして緊張したのか、ジョコヴィッチにもダブルフォルトが出てしまったが、カニャス反撃の糸口とはならなかった。ジョコヴィッチ優勝! インディアン・ウェルズではいったん「お預け」を喰らったトロフィーを、ついにその手に掲げることになった。 試合後、コートの脇で抱き合う2人。何を話しているのか、笑顔で互いの健闘を讃え合っているようだった。ジョコヴィッチはウェアもラケットも、惜しげもなくファンにプレゼントしてしまった。そして優勝セレモニーでは、カニャスに対して「決勝で彼のようにタフな選手と闘うのは簡単なことじゃなかった、まずはカニャスに、ここ数ヵ月の活躍と復帰についておめでとうと言いたい」と述べた。「彼のことを偉大なプレイヤーだと思うし、みんな彼をとても尊敬している」。 ジョコヴィッチのスピーチはソツがなく立派なもので、アルゼンチンのファンに対する配慮も行き渡っており、自国のファンに向かってもセルビアを誇りに思うと語って、最後は “I love my country!”で締めくくった。 カニャスのランキングが、彼が本来いるべき位置であって予選に出る必要がなかったら、脚の怪我がなかったら、あるいは…といろいろ考えないでもないのだが、新しいスターの誕生は、素直に喜ぶべきだろう。しかし、テニスというスポーツは、本当にスコアだけ見たのでは何もわからないものだ。取ったゲームの数だけから判断したら、まるでジョコヴィッチが易々と勝利したように思えてしまうが、実際には数字だけでは語れない、濃密な闘いがあった。 すぐにクレーコート・シーズンが始まる。ジョコヴィッチはクレーでもOKだし、カニャスにとっても嬉しい時期である。これからローランギャロスまで、モンテカルロ、ローマ、ハンブルクと大きな大会が目白押し。これから先の数ヵ月、テニスファンの楽しみは尽きない。
by slycat
| 2007-04-02 19:48
| テニス
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