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ミステリ・テニス・ハムスター・モルモットについてあれこれと……
by slycat
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No. 1が揃って優勝

US OPEN Women's FINAL, J. Henin d. S. Kuznetsova 6-1, 6-3

試合前のセレモニーでは、大好きなキャロル・キングがGod Bless Americaを歌った。決勝のカードはエナン対クズネツォワ。エナンは2003年、クズネツォワは2004年と前回の優勝から、いずれも間が空いている。ここでもう一度トロフィーを手にしたいという気持ちは、お互いに強いはずだった。

しかし、試合が始まってみると、気持ちの強さではダントツにエナンが上回っていたようだ。ヴィーナスとの準決勝、第2セットから様子がおかしかったが、何となくピリッとしない。えーまた去年みたいになっちゃうんじゃないかとハラハラした。それでも、ポイントはエナンが先行。
 スコアだけ見たら、よっぽどエナンがガンガン押していったようだが、決してそんなことはなかった。ダブルフォルトの連発に凡ミス、つけ込もうと思えばいつでもつけ込めそうな危ういプレー。なのにクズネツォワは、またもヘビに睨まれたカエル状態となり、見ているこちらはキツネにつままれたような感じになった。

優勝セレモニーが始まり、さすがにこわばった表情のクズネツォワ。でも司会者が「今は笑うのも難しいと思いますが……」と語りかけると、パッと華やかな笑顔を見せてくれた。2004年に優勝したときはポニーテイルに歯列矯正器をのティーンエイジャーだったが、この3年で本当に美しい女性に成長した。気の利かない司会者がインタビューを終えようとすると、「もうひと言」と申し出て自分のチームに感謝の気持ちを伝えたのも好ましかった。
 エナンのほうは、勝利の喜びを噛み締めていた。いろいろと胸をよぎる思いはあったのだろうが、終始満面の笑顔だった。前回勝ったときはピエールがいたんだな……あのときも観客席に上っていったんだった(彼はテレビで元妻の試合を見るのだろうか?)。今回も勿論上っていったが、コーチの許へ急ぐエナンを追っかけようとした警護の男性が何かにつまづいて転んでいたのがおかしかった。

この4年、エナンはいろいろな苦難を乗り越えてきた。初めてUS OPENのタイトルを取ったとき、その後自分が離婚や病気で苦しむことになるとは、夢にも思っていなかっただろう。しかし苦労しただけでは勝てない。苦しんでも苦しんでもご褒美をもらえない人もいる。やはり彼女は勝つための条件をクリアした選ばれしもの、テニスの女神のお眼鏡にかなった人物なのだと思う。

何はともあれ、2人ともお疲れさま。そしておめでとう。


US OPEN Men's FINAL, R. Federer d. N. Djokovic 7-6, 7-6, 6-4

男子決勝前のセレモニーでは、これまた大好きなライザ・ミネリがGod Bless Americaを歌った。何たる贅沢……。テニスばかりでなく、一流のエンターテイナーのミニ・コンサートまで体験できるなんて。AIG OPENもセレモニーにはもっとお金をかけて欲しいな(そして準優勝者のプレートも、もっとゴージャスにしてあげて欲しい。あまりにも貧相だ)。

試合前のインタビューで、ジョコヴィッチが「ベストを尽くすとか、いいテニスをするとか、そんなのは目標じゃない。勝ちに行く」という意味のことを話していたのが印象的だった。SF前のダヴィデンコとは大違い、と言ったらダヴィデンコが可哀相だが、「僕はまだトップじゃない。フェデラーに勝てたら自信がもてると思うけど」という言葉は、彼の控えめな性格を表していて好ましい一方、何だか試合の前から負けているような感じがしてしまった。彼も立派な大人なので、もはや20歳の若者のような強気な発言はできないのかもしれないが。

真面目そうなルックスにそぐわず、ジョコヴィッチはなかなかお茶目な青年でもある。スピーチが巧い。テレビで少し紹介された、シャワポワや ナダルの物真似には抱腹絶倒した。彼のユーモアは、チャリティ・マッチやエキシビションなどでアガシやロディックが見せていたような観客サービスとはひと味違う。サフィンのおふざけよりわかりやすい。現在のNo. 1、No. 2がどちらかと言えば「いい子ちゃん」なので、こういうエンタテインメント性をもった選手がトップの仲間入りをしたことは、テニス・シーンにとってもよさそうだ。

観客席ではジョコヴィッチのご両親が応援していた(お2人の顔を足して2で割るとジョコヴィッチの顔になる)。驚いたことに、シャラポワまで座っていた。さらに、変なおじさんがいると思ったら、ロバート・デニーロだった。昔はカプリアティの試合でマシュー・ペリーの姿を見たものだが、こんな大物がファミリー・ボックスに座っているというのは珍しい。
 シャラポワはジョコヴィッチが彼女の物真似をしたことに対して「殺してやるから」と言ったそうだが(She said she's going to kill me)、こうして応援しているということは、仲良しなのだろう。あの物真似は、やられた本人にはかなりキツイと思ったんだけど(よく考えてみれば仲が悪いなら後が大変だ)。

強気な発言のとおり、ジョコヴィッチはフェデラー相手に一歩も引かないプレーで応戦した。私には2人のプレーがそっくりに見えるのだが、今回もフェデラーがやりそうなボレーや、鋭角の逆クロスが炸裂する。非常に巧みな攻めでフェデラーに喰らいついていった。
 しかし、何となしに詰めの甘さが目立ったように思う。ドロップショットも出し過ぎだ。そして今回はあまりサーブがよくなかった。

フェデラーがなかなかブレイクできない、というのは珍しいことだったが、それでも画面に映る彼の顔に、焦りや苦悩は見当たらなかった。ナダルとクレーで戦うときの顔とは全然違う。これだけいいプレーをしているジョコヴィッチでさえ、フェデラーを追い詰めてはいなかった。モントリオールで敗れたことも、フェデラーにとってプレッシャーとはなっていなかったようだ。

第1セットをジョコヴィッチが取っていれば、試合の流れは変わっていたかもしれない。もし第2セットを取れていれば、フェデラーを苦しませることができていたかもしれない。しかし、せっかくの(?)タイブレイクを2つとも落としたことで、王者のプレーはさらに余裕綽々となった。つけいる隙はなくなった。

終わってみれば、やっぱりフェデラーが優勝。元々、まだジョコヴィッチにグランドスラム・タイトルは早い、と思っていたので、まぁこんなものかな、それでもよくやったな、と思わないでもないが、1セットでも取れていればなぁ、と思うと残念だ。

しかし、セルビアの青年は世界中のテニス・ファンのハートをぐっと鷲摑みにした。若くて強くて、お茶目でスマート。ちょっと印象が地味かなぁと思っていたのだがどうしてどうして。今大会の活躍で、どっとファンが増えたことは間違いない。
 ナダルに続いて、フェデラーと渡り合えるプレイヤーがまた1人現れた。来年のグランドスラムでは、ひょっとして大きな動きがあるんじゃないかな。

残り少なくなってきたテニス・シーズン、マドリッド、パリ、そしてマスターズ・カップの行方がどうなるか、楽しみである。
by slycat | 2007-09-11 10:43 | テニス
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